無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第21話

#21
そんなにショックだったのか、はたまた嬉しさのあまり飛び跳ねた勢いなのか──個人的に後者であれば悲しいけど──、大和先輩は私を押し倒していた
白樹 澪
あの、大和……先輩?
成瀬 大和
澪ちゃん。本当にあいつを選んだの?
白樹 澪
え、あ、まあ……結果的には
いつもの穏やかさなんて微塵も感じられないほど、どこまでも冷たくてトゲのある言葉に、私は怯みながらも頷く
大和先輩が、大和先輩じゃない……昨日、蓮に向けたみたいな声色で、目で、私を捕らえている
怒ってるの……? 大和先輩が、私に?
今の姿勢では逃げることが出来ない。寧ろ、私を逃がさないために押し倒したかのようにすら思えてくる
成瀬 大和
おかしいな……僕だって、結構アピールしてきたはずなのに、伝わらなかったのかな
白樹 澪
え?
成瀬 大和
みんな僕の容姿に集まってきた。きゃーきゃーと黄色い悲鳴ばかり上げて、勝手に興奮して。女なんてうるさい生き物だと思ってた……その中で、澪ちゃんだけは僕を僕として見てくれたのに。
そんな君に……惹かれたのに!
ぎりっと歯ぎしりする音が、大和先輩の口から響く
な、何? 大和先輩は何を言ってるの?
普段の大和先輩からは考えられないような汚い言葉が羅列されていて、何もかもが分からない
……私に惹かれたって、どういうこと?
白樹 澪
や、大和せんぱ──っ
成瀬 大和
澪ちゃん。僕じゃ足りなかったのかな?
王子なら姫と結ばれるのは当然だって、信じてたのに……やっぱり、御伽噺は御伽噺のままなんだね
キメ細やかな白い指先が私の首筋に触れ、ぴくりと体が跳ねる
大和先輩の火照った顔が、熱を持った体が、私の危険信号を刺激していて
それと同時に、大和先輩の影が、頭の片隅に追いやられていた“誰か”と重なった
その瞬間、私は全身の身の毛がよだつような感覚に襲われる
怖い。怖い……怖い!
私の心は恐怖一色に染まり、無我夢中で助けを求めた
安心出来る温もりが欲しい。誰かが来て。誰か……誰かが
ふと心に浮かんだ名前を、私は自然と口にしていた
白樹 澪
蓮……助けて…………っ