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第7話

#7
白樹 澪
(うーん……)
気だるそうに思案する私は今、行き詰まった現状を振り返り、頭を抱えていた
どうしてこうなるんだろう……まあ、予想できる範疇ではあるんだけどね
昼休みの真っ最中。私はお弁当のおかずを挟んだ箸を口に運びながら、ちらりと隣に視線を配る
そこにいるのは、同じくお弁当を開き、ご飯を食べているクラスメイト……ではなく
その美貌故に、青春真っ盛りの女子のクラスメイトたちにたかられ、彼女たちの扱いに困っている蓮だった
瀬沢 蓮
…………
きゃーきゃーと甲高い悲鳴をあげながら騒ぎ、矢継ぎ早に質問攻めをしてくる女子たちに対し、当の本人は、これといった経験が無かったのか、戸惑いを顔に貼り付けたまま無言を貫いている
まあ、大和先輩のこともあり、今どきの女子高生たちはやけにイケメンに飢えているというのは知っていた。けど蓮も標的になってしまっては、私としても少々面倒なの
私から離れてくれる理由にはなるだろうけど……見てるこっちがちょっとイライラするというか
白樹 澪
(好都合なはずなんだけどなぁ……でも、私にいきなりあんなことして来ておいて、あの女の子たちにはしないってどういうことなの、本当に)
はむっと勢いよくおかずを口の中に放り込み、ペットボトルに入った緑茶を飲みながら考える
手の甲に……か
御伽噺の中に出てくる、王子様とお姫様みたいなことを当たり前のようにしていたから、そういうのに慣れているんだなぁと勝手に思ってたけど、全く違うみたいで私は私で驚いている
とりあえず、今の私に蓮の状態をどうにかすることはできないのでほっとくことにしよう
改めて、コックの人が作ってくれたお弁当に舌鼓を打っていると
クラスメイト
そういえば、どうしてこの時期に転校してきたの?
進級してから一ヶ月なんて、結構中途半端だよね?
ふと、そんな質問が耳を掠めた
それを聞いて私はどきりとする
ま、待って……馬鹿正直に『白樹澪のSPです』なんて言わないよね?
どの道バレるかもしれないこととはいえ、少なくとも今、この昼休みの平和な時間を邪魔されるのは心外だから!
なんて、私の心の叫びが蓮に伝わるはずもなく
瀬沢 蓮
俺、澪のSPだから
蓮は、さらっと特に抵抗もなく告白した
その言葉を聞いて、今までの騒がしさが嘘のように静まり返る女の子たち
そして彼女たちの視線は……徐々に私の方へ向けられていった
一方の私は、目を合わせると気まずくなると判断し、素知らぬ振りで食事を敢行
『え、SP? 冗談でしょ?』みたいな、異質のものがそこに在るかのような空気が流れ、どうもいたたまれなくなった
何か言いたいなら言って! いっそ一思いに言ってくれた方が楽なんだから!
だからSPなんて要らないって……言ったのに
何が悔しかったのか、何が嫌だったのかは分からない。ただ、人知れず下唇を噛み締めた時
クラスメイト
え、SPって……『可憐姫かれんひめ』のSP?!
それって要するに騎士様ってこと?!
白樹 澪
へっ?
興奮したような上ずった声が聞こえ、私は反射的に声を漏らし、そちらの方を見てしまった