第9話

新兵勧誘式
1,561
2019/11/05 06:30
リサ
リサ
ふーっ、終わった~!
リサ
リサ
(思ったよりも早く終わったな…、何か手伝うことないかな?)
リサ
リサ
(あっ、そういえばハンジ分隊長が大変そうだったからそこ行ってみようかな…?)
_____
コンコン
リサ
リサ
ハンジ分隊長、リサです
ハンジ
ハンジ
どうぞ
ドアを開けると、やっぱり書類が山のようにたまっていた。
リサ
リサ
何か手伝うことありますか?
ハンジ
ハンジ
えっ、手伝ってくれるの?!
モブリット
助かるよ、リサ。じゃあ、そっちの書類を頼む
リサ
リサ
了解です!
リサ
リサ
(やっぱりここに来てよかった。すごく大変そうだもんね)
_____
ハンジ
ハンジ
ふぅぅ~終わったねぇ!二人ともお疲れ様
モブリット
ホントですよ…
リサ
リサ
ハンジ分隊長、10分に一回逃げ出すんですもん…
モブリット
リサがいなかったらどうなっていたことか…、本当にありがとな、リサ
リサ
リサ
いえ!暇でしたし
ハンジ
ハンジ
お礼に何かしたいな~、何がいい?
リサ
リサ
う~ん……あっ、今日の新兵勧誘式に行きたいです!見るだけでいいので…!
ハンジ
ハンジ
お、いいよ!エルヴィンに話通しておくね
リサ
リサ
ありがとうございます!
モブリット
どうして新兵勧誘式に行きたいんだ?
リサ
リサ
……なんか、見てみたいな、って思ったんです。恐怖に耐えて調査兵団で戦うことを決意する、同年代の人達を…
リサ
リサ
私も本当は兵士として、調査兵団に入りたかったんです
ハンジ
ハンジ
そうだったんだ…
リサ
リサ
はい、両親に反対されて結局訓練地にも行けなかったんですけど…
モブリット
……!そろそろ出発の時間です!行きましょう!
リサ
リサ
あっ、はい!
ハンジ
ハンジ
りょうか~い
______
エルヴィン
エルヴィン
…私は、調査兵団団長エルヴィン・スミス………
辺りが暗くなって、エルヴィン団長の紹介が始まった。
私は視線をエルヴィン団長から卒業したてでありながらトロスト区攻防戦を生き抜いた訓練兵達にうつした。
リサ
リサ
(!?!?ジャン兄!?)
そこには…、前と見違える様に凛々しくなった、私の初恋の相手、ジャン兄がいた。
リサ
リサ
(そっか、最近見なかったのは訓練地に行ってたからなんだ…)
リサ
リサ
(やっぱり…、三年も会わないと変わるな…、でもきっとそれだけじゃない。トロスト区攻防戦の中で色々あったんだ)
リサ
リサ
(だってジャン兄のこんな決意に満ちた表情、初めてみたもん…)
エルヴィン
エルヴィン
……以上だ、他の兵団の志願者は解散してくれ
いつの間にか紹介は終わっていて、多くの人が会場の出口に足を向けた。
その中で、ジャン兄や少しの人達は辛そうに足を踏ん張っている。
リサ
リサ
(ジャン兄…調査兵団に?!)
私の頭が混乱している中、ジャン兄はおもむろに顔を上げて、何かを振り払うように叫んだ。
リサ
リサ
…!!
ジャン兄の目には、涙と決意が浮かんでいた。

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