第5話

目覚め
2,105
2020/05/28 03:20
リサ
リサ
ふ、ぁぁあ
リサ
リサ
(あ~…眠い…ってまだ五時半?!あっ、でも兵団は六時起床なのか…。それでもまだ時間あるし、シャワー浴びるか…)
シャーーー
リサ
リサ
ふぅ~、すっきりした~
リサ
リサ
(着替えるか!)
パサッ
リサ
リサ
(今日から、掃除係の制服を着られるんだよね!エルヴィン団長って優しいなぁ、デザイナーになるのが夢だったって言ったら私にデザインさせてくれて…。おかげで、凄く満足いくのができた!)
白いのブラウスに、自由の翼モチーフの、胸からある紺色のワンピを重ねてきて、淡いピンクのスカーフをつける。
リサ
リサ
(これに編み上げブーツをあわせてっと…)
リサ
リサ
できたっ!うん、すごく可愛い!
私は髪の毛をとかして、片方の髪を耳にかけると、ぱちんっと頬を叩いて、
リサ
リサ
よしっ!
とドアを開けた___。
__________
リサ
リサ
ここ、どこ…?
リサ
リサ
(私、絶賛迷子だ…。もうきっと朝食の時間だよね…おなかすいた…)
本当にどうしよう。
そう思いながらも廊下に立ち往生していると、
ハンジ
ハンジ
あれ~、リサじゃないか
リサ
リサ
あっ、ハンジ分隊長!
ハンジ
ハンジ
こんな所でどうしたの?もう朝食始まってるよ?
リサ
リサ
あっ、えぇっと…
リサ
リサ
……私、迷子になってしまって…
ハンジ
ハンジ
あ~、ここはどこも同じ様な景色だからね~、よし、私が案内してあげよう!
リサ
リサ
ありがとうございます!
ところで、ハンジ分隊長はなぜここに?
ハンジ
ハンジ
寝坊に決まっているじゃないか!
リサ
リサ
……(こ、こんなこと思ったらあれだけど、こんな人が分隊長になっても大丈夫なのだろうか…?)
________
ハンジ
ハンジ
やっとついた~!朝食だ朝食!
リサ
リサ
(やった~!おなかすいた~!)
リヴァイ
リヴァイ
オイ、待てお前ら
リサ
リサ
!!!(ひぃぃぃいっ、リヴァイ兵長の目が…怖い、)
ハンジ
ハンジ
ん~?どうしたのリヴァイ~?
リヴァイ
リヴァイ
なぜ遅れてきた?
ハンジ
ハンジ
私は寝坊でリサは迷子だよ~
リヴァイ
リヴァイ
……リサは良いとして、ハンジは説教だ
ハンジ
ハンジ
ひぇ~っ、リサ、助けて!えっ、ちょ、なんで離れてくのっ?!リサぁ!
リサ
リサ
ご、ごめんなさいハンジ分隊長!!すみませんすみません!
リサ
リサ
(リヴァイ兵長相手に刃向かうなんて、怖すぎて出来ないよ~!!)
エレン
エレン
あっ、リサ!やっときた
リサ
リサ
ごめんエレンくん、おはよう。迷子になってた…
エレン
エレン
?!ここで?!ははっ、リサって面白いな!!
リサ
リサ
う……(笑われてしまった…)
エレン
エレン
クスッ、悪い悪い、つい面白くて
モグモグ…
エレン
エレン
サリー、食べるのおせぇな
リサ
リサ
あっ…そうなの、昨日みんなの食べるスピード見て早く食べられる様に市内とっておもった
エレン
エレン
俺が少しもらってやろうか?!
リサ
リサ
ありがとう!…嬉しそうだね(苦笑)
エレンくんはこの中でどのおかずが一番好き?
エレン
エレン
パン!
リサ
リサ
じゃあ、はい!
エレン
エレン
お~っ!ホントにいいのか?!
リサ
リサ
うん、私は地下牢に入る前よく食べてたから
エレン
エレン
ありがとな!!モグ…
ふまひ!!はりはほな、ひは!
(美味い!ありがとな、リサ!)
リサ
リサ
ううん、どういたしまして!
モグモグ…
リサ
リサ
(あっ…、今日もサラダマヨネーズかかってる…)
リサ
リサ
(どうしよう…パンもサラダも食べないとおなかすいちゃうし、しかも食糧不足なのにニガテだからって食べないのは…でも…マヨネーズ…)
パサッ
リサ
リサ
!!
リヴァイ
リヴァイ
……
リサ
リサ
(エレンくんにバレないようにしてくれたのかな?)
ありがとうございます!(コソッ
リヴァイ
リヴァイ
……
リヴァイ兵長はちらりと私に目を向けたあと、食堂を出て行ってしまった。
リサ
リサ
(リヴァイ兵長は、どうしてこんなに私に優しくしてくれるんだろう…?会ったことがありそうなのが関係あるのかな…?)
ガタン
エレン
エレン
ごちそうさまでした!
エレン
エレン
リサ、食べ終わったか?行こうぜ!
リサ
リサ
あっ、うん!
エレンくんの明るい笑顔に呼ばれて、私も自然と笑顔で立ち上がった。
_____
リサ
リサ
えっと…今日は月曜日だから、廊下と食堂とトイレだけで良いのかな?
ガタガタ
リサ
リサ
ふぅ~、掃除道具はこれで全部か。よし、やるぞっ!
キュッキュッ…
私は西側の廊下からはじめた。
リサ
リサ
あ~、腰が痛い…。体力つけなきゃなぁ…
モブ兵士
モブ兵士
あれ?あの時リヴァイ兵長と同じ馬車にいた…
リサ
リサ
!あっ、こんにちは!
モブ兵士
モブ兵士
リサだ!
リサ
リサ
はい!!覚えててくれたんですね!
モブ兵士
モブ兵士
うん!あの時お疲れ様って言われて、スゴく嬉しかったから…
ミリアン
私はミリアン・グレー!去年新兵として調査兵団に入ったの
リサ
リサ
そうだったんですか!
ミリアン
うん、だからリサとはエレンの次に年が近いかな~、リサは何歳だっけ?
リサ
リサ
十三歳です!
ミリアン
私は十六!ねぇ、私達友達にならない?私、リサと仲良くなりたい!
リサ
リサ
…!いいんですか…!スゴく嬉しいです!!よろしくお願いします!
ミリアン
ふふ、真面目だね!
敬語外してよ!
リサ
リサ
!!よっ、よろしく、“ミリアン“!
ミリアン
ところでさ、リサ、掃除は順調?
リサ
リサ
あ~…ちょっと疲れちゃった。まだ少ししかやっていないのに…
ミリアン
ん~、私が思うに、それは一人でやっているからだよ!
リサ
リサ
そっ、そうなの?
ミリアン
うん!つまり、二人でやればはやいってこと!
リサ
リサ
!!ふふっ、確かに!
じゃあミリアン、手伝ってくれる…?
ミリアン
もちろん!私にも雑巾かして!
リサ
リサ
はいっ!
じゃあどっちが速くあそこまで行けるか競争ね!
ミリアン
うん!絶対負けないよ~!
リサ
リサ
私だって!
ダダダダダ…
ミリアン
イェ~イ、勝った!
リサ
リサ
はぁ…はぁ…悔しい~!よしっ、次はそこまで!
ミリアン
ふふっ!次も負けないよ!
_____
リサ
リサ
はぁ…はぁ…
ミリアン
はぁ…はぁ…
リサ
リサ
疲れた~、いい汗かいたなぁ~!ミリアンのおかげで廊下すごいはやく掃除し終わったよ!ありがとう!
ミリアン
いえいえ、どういたしまして!
モブ兵士
モブ兵士
お~い、ミリアン、ちょっとこい!
ミリアン
あっ、はい!
ミリアン
ごめんねリサ、じゃあまたね!
リサ
リサ
うん、夕飯一緒に食べようね!
_____
リサ
リサ
ふぅ…(トイレも掃除し終わったから、後は食堂か…)
窓の外をチラリと見ると、立体機動の訓練をしている、ペトラさん達が見えた。
リサ
リサ
(……私も立体機動、やってみたいな…)
リヴァイ
リヴァイ
何を止まっている?
リサ
リサ
!!すっ、すみません!
リサ
リサ
立体機動の訓練を見ていたら…つい
リヴァイ
リヴァイ
…やりたいのか
リサ
リサ
はい…なんだか、空をとんでいるみたいに見えて…
リヴァイ
リヴァイ
……掃除が終わったら俺の部屋に来い、立体機動を教えてやる
リサ
リサ
!!ホントですか?ありがとうございます!頑張って速く終わらせます!
リヴァイ
リヴァイ
……
リヴァイ兵長は去って行ってしまった。
リサ
リサ
(やった!立体機動教えて貰える!しかも、人類最強のリヴァイ兵長に!!すっごいうれしい!)
リサ
リサ
(頑張って掃除終わらせようっ!)
_____
リサ
リサ
(終わった~!やっと終わった~!えっと今は…十時!たくさん練習出来そう!!)
リサ
リサ
(リヴァイ兵長の部屋…緊張する…)
コンコン
リサ
リサ
リサです
リヴァイ
リヴァイ
入れ
リサ
リサ
掃除終わりました…っ!?うわぁあ!
ドサドサドサッ
リサ
リサ
いたい……これは…何ですか…?
リヴァイ
リヴァイ
書類の山だ。片付けるの手伝え
リサ
リサ
えっ、立体機動…
リヴァイ
リヴァイ
この後だ
リサ
リサ
!!すっ、すみませんやります!
リサ
リサ
(リヴァイ兵長…怖いよぉ…ていうか立体機動…)
それから私とリヴァイ兵長は書類の山と格闘し始めた。
リサ
リサ
あの…リヴァイ兵長、ここら辺終わりました、次は何をすればいいですか?
リヴァイ
リヴァイ
…これを頼む
リサ
リサ
了解です…あっ、そうだ、リヴァイ兵長って紅茶お好きなんですよね?
リヴァイ
リヴァイ
まぁな
リサ
リサ
これ三時までに終わらせて、お茶して立体機動しましょう!
リヴァイ
リヴァイ
…お前の働き次第だな
リサ
リサ
頑張りますっ
カリカリカリカリ…
リサ
リサ
(あれっ、私何かリヴァイ兵長の思い通りに動いていないか…?)
チラリとリヴァイ兵長を見る。
リサ
リサ
!!
すると、リヴァイ兵長も私を見ていて、パチリと目が合った。
何だか気まずくて目をそらす。
リサ
リサ
(リヴァイ兵長って…よく見たら顔、すごく整ってるな…黒髪もサラサラ)
リサ
リサ
(エレンくんと彼もそう、柔らかい髪に日光が当たると透き通って、何だか夢と決意をたたえた目が綺麗で___)
リヴァイ
リヴァイ
…リサ
リサ
リサ
ひゃいっ!
リサ
リサ
(ひいっ、こんなこと考えてる時に声かけられたから変な声出ちゃったよっ)
リヴァイ
リヴァイ
お前はエレンが好きなのか?
リサ
リサ
えっ?!どうしてですか?!
リヴァイ
リヴァイ
はやく答えろ
リサ
リサ
(ビクッ)
リサ
リサ
えと、エレンくんは、友達、です
リサ
リサ
でも、なんだか、私の昔の好きな人に似てて…
リサ
リサ
最近会ってないんですけど、近所に住んでたお兄ちゃん…
リヴァイ
リヴァイ
ほぉ
リサ
リサ
ちょっ、まっ、まじまじと見ないでください…!
リヴァイ
リヴァイ
意外だ
リサ
リサ
なっ、何がですか?!
リヴァイ
リヴァイ
そういうクソには関わったことが無いと思っていた
リサ
リサ
クソなんかじゃないですっ!
結構一途に好きだったんですよ?!
リヴァイ
リヴァイ
ほぉ…何日だ?
リサ
リサ
日じゃないです、バリバリ年です!
リヴァイ
リヴァイ
…チッ、何年だ?
リサ
リサ
六年以上です
リヴァイ
リヴァイ
お前は馬鹿か
リサ
リサ
何がですかっ?!
リヴァイ
リヴァイ
……
リサ
リサ
ジャン兄は優しくて不器用で、格好よくて可愛かったです!
リヴァイ
リヴァイ
…そこまで熱弁しておいて、何故“昔の“好きな人なんだ
リサ
リサ
ねつ…っ?!そんな…っ、う…
リサ
リサ
…………すみませんでした、上司に向かって口答えしてしまって
リヴァイ
リヴァイ
…構わない
リサ
リサ
……?リヴァイ兵長?
リヴァイ
リヴァイ
なんだ
リサ
リサ
なぜそんな傷ついた様な顔しているのですか…?
リヴァイ
リヴァイ
…してねぇ
リサ
リサ
…そうでしたか、すみません
リサ
リサ
(何か今日のリヴァイ兵長、おかしいな…)
リサ
リサ
(はっ!もしかして!)
リサ
リサ
リヴァイ兵長っ!リヴァイ兵長にも好きな人がいるんですか?!
リヴァイ
リヴァイ
…くだらん
リサ
リサ
いやっ、先に聞いてきたのはリヴァイ兵長ですっ、そんなに聞くってことはそうなんじゃないんですか??例えばペトラさんと…か…
リサ
リサ
(あれ…、なんだろ、今…胸の奥が痛かった。ジャン兄と一緒に居るときと同じ___…)
リヴァイ
リヴァイ
…ペトラ?あいつは部下で俺は上司だ
リサ
リサ
あっ、そっ、そうですよね…
リサ
リサ
すみませんリヴァイ兵長、仕事します
リヴァイ
リヴァイ
あぁ、真面目にやれよ
カリカリカリカリ…
リサ
リサ
(さっきのって…もしかして…でも…リヴァイ兵長は上司で…ジャン兄じゃなくて…)
リサ
リサ
(あ~っ、ダメだっ!仕事中仕事中!集中集中!)
ガリガリガリガリガリッ
リヴァイ
リヴァイ
…音すごいぞ
リサ
リサ
はっ!すみません、でも紙に穴は空いてないので大丈夫ですっ!
リヴァイ
リヴァイ
そうか
_______
リサ
リサ
終わった~!終わりました、リヴァイ兵長!
リヴァイ
リヴァイ
はやいな
リサ
リサ
よしっ、二時半!お茶しましょう、リヴァイ兵長!
リヴァイ
リヴァイ
あぁ
リサ
リサ
淹れますねっ、紅茶!ダージリンでいいですか?
リヴァイ
リヴァイ
あぁ、助かる
とぽぽぽぽ…
リサ
リサ
入りました、リヴァイ兵長
リヴァイ
リヴァイ
あぁ、…クッキー食べるか
リサ
リサ
はい、クッキー大好きなんです!
サクッ…
リサ
リサ
美味しい~♡
リヴァイ
リヴァイ
……三時から立体機動教えてやる
リサ
リサ
はい!あと15分…それまでに飲みきらないと…
リヴァイ
リヴァイ
そういえば一口も飲んでねぇな
リサ
リサ
あ…私、すごい猫舌で…
リヴァイ
リヴァイ
もったいねぇ、紅茶は熱いうちが一番だぞ?
リサ
リサ
はい…でも…舌が焼ける…
リヴァイ
リヴァイ
……熱いの我慢して飲んでみろ
リサ
リサ
……えっ……
リヴァイ
リヴァイ
ほら、飲め
グイッ
リヴァイ兵長が私の紅茶のカップをガッととって、私に無理矢理紅茶を飲ませた。
リサ
リサ
~~~~ん~~~!
ガッ
リサ
リサ
ハァ…ハァ…熱いっ、熱いぃ…っ
リヴァイ
リヴァイ
ふっ…
リサ
リサ
わっ、わっ、笑い事じゃないですっ!
リサ
リサ
(うぁぁあっ、熱かったっ!しかも…)
リサ
リサ
(リヴァイ兵長…顔…近かった…)
なんだか不思議な沈黙が続いた。
リサ
リサ
(ひぃ…さっきの思い出しちゃって…顔が…っ)
リヴァイ
リヴァイ
…顔赤いぞ、どうした
リサ
リサ
いやっ、あのっ、これは…っ!
ガチャッ
リサ
リサ
!!
ペトラ
あっ、え~っと…
リサ
リサ
こっ……
リサ
リサ
(ここで来るかぁぁあっ!)
今は…ちょうどリヴァイ兵長が私の額に手を当てて、熱を測ってくれている所だった___!
リヴァイ
リヴァイ
…熱はないな…
ペトラ。どうした
ペトラ
あっ、えっと、頼まれていた書類、終わりました!
リヴァイ
リヴァイ
あぁ、そこに置いておけ
ペトラ
はい、失礼しました
ガチャン…
リサ
リサ
(ぜっったいペトラさん勘違いしたよね?!)
リヴァイ
リヴァイ
……オイ
リサ
リサ
はいっ!!
リヴァイ
リヴァイ
あと5分ではじめる
リサ
リサ
へっ!もうこんな時間っ!
リヴァイ
リヴァイ
行くぞ
リサ
リサ
はっはい!パクッ
リヴァイ
リヴァイ
………何か食べたか
リサ
リサ
いっ…いいえ何も!
~訓練地~
リヴァイ
リヴァイ
つけろ
リサ
リサ
あっ、はい!
リサ
リサ
(ていうか私…付け方知らないけど…これでいいのかな…?)
リサ
リサ
(えいっ!)
ガチャガチャッ、ガチッ!!
リサ
リサ
(…………すごい音した……壊れてないかな……)
チラリとリヴァイ兵長を見ると、
リサ
リサ
(ひぃぃぃぃい!)
般若の顔でこっちを見ていた。
リヴァイ
リヴァイ
お前…立体機動装置がどれだけ高価なのかわかっているのか?
リサ
リサ
すすすすすみませんっっ!
____それから三時間ほど立体機動の訓練をしてもらった。(ちなみに素質を確かめるみたいな行程はあの装置がなかったので立体機動装置で応用した)
リヴァイ
リヴァイ
あそこの巨人の模型のうなじを削げ
リサ
リサ
はっはい!
パシュッ、ザシュッ!!
リサ
リサ
ど、どうでしょうか?
リヴァイ
リヴァイ
ガスの使い方も、傷の深さも訓練を始めてすぐにしては悪くねぇ。兵士になって訓練したら…まぁ…調査兵団の中の上くらいにはなれるだろうな
リサ
リサ
ホントですか!ありがとうございます!
リヴァイ
リヴァイ
あぁ
リヴァイ兵長は微笑を浮かべて私に言った。

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