〜あなたの下の名前サイド〜
「また、会おうね—」
「うん—」
その約束、遊んだ日々、助けてくれた時、君の姿、名前—
全てを覚えている…。
…準備するか。
今日は料理と洗濯終わってるし…
まぁ、これが他の人にとって、本当の姿みたいなもんだよね…
準備しなきゃか…
ケータイ、パソコン、充電器…あとは紙
、ペンとかと…学校の用意…
〇〇と別れるときに貰った、お揃いの時計…
今回のシェアハウスは—
前、〇〇と会った場所と同じ所。
〇〇と会えないかな…
荷物持って…
ガチャ
ドタドタ…
やっぱりメイクしてるよね、
…知らないよね、自分のことなんて。
ガチャ…
トコトコ…
ガタンゴトン…(電車移動)
声大きいよ…それに、荷物多くない?
迷惑になるとか、考えられないの?
「妹泣かすなんて…姉のくせにね」
そんな声聞こえるけどさ、自分の気持ちなんて分かんないもんね。
ガタンゴトン…
プシュー…(ついた)
トコトコ…
…語尾に♡つくのおかしくないか…
ピンポーン
それにしても、なつかしいね。
ここ…
ガチャ
トコトコ…
トコトコ…
…すぐ、妹のこと好きになるよね。
…自分のことなんて…
ダッ
チャリ…
これは…お揃いの?
追いかけなきゃ。
きっといるのは、いつもの場所…だよね。
ダッ
…ごめんなさい…誰かさん…
走らなきゃ。
いつもの場所…月や星が綺麗に見える公園へ。
タッタッ…
ガサガサ…
やっぱり、そうだよね。
もふくん…だね。
ガサガサ…ガサッ
やっと会えたね。
待ってたよ。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!