第9話

思い通りにならない体
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2021/01/22 22:00
特に何をするわけでもないままチャイムが鳴り、教室に先生が入ってくる。

七実はそれを見るなり自分の席に戻ろうと立ち上がった。そのあとすぐに私に声をかけようとしたみたいだったけれどもあまりにも私が話しかけてほしくないという顔をしていたらしく、口を閉じてそのまま戻っていった。


七実に嫌な思いさせちゃったかな。


こんな時にストレスを他人にぶつけることしかできない自分が嫌になる。いっそのこと消えてしまいたい。



私はだるい体を机に預け目を閉じた。


周りの音がさっきよりもよく聞こえる、うるさい頭が痛い。

なんで…

なんでこんなことになっちゃったの?









「…き?」


「美咲?」


「ん?」


気が付けば七海が目の前に、さっきよりも不安そうな顔をして立っていた。

「美咲一時間目移動教室だけど…」

「あぁうん、すぐ行くから先行ってて」


私は表情筋に力を入れて、出来る限りの笑顔を作りそう伝える。

七実はもっと心配そうにしてから頷いてゆっくりと歩いて教室を出ていった。

気が付けば教室には数人の生徒が残っているだけだったけれど、その生徒達もやがて教室を出ていった。


私は重たい体を持ち上げ、引き出しから教材を取り出して教室を出ようとした。


「あぁ、もうダメ」
私は、力の抜けて重たく感じる体をしゃがみ込んで休めようとする。

それでも一向に良くなっていかない症状に、とうとう私は倒れた。




あぁ、昨日雨に濡れて風邪ひいちゃったんだな…

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