田中 side
北斗が倒れた時は本気で焦った 。
自分の限界はわかってる方で 、今まで倒れた所を見たこと無かったから尚更 。
でもたしかに北斗は最近 、悲しそうな顔をしていた 。
『 北斗 、大丈夫か 』
松村「 あぁ … なんとか 」
『 …… あなたさんの事だろ 、? 』
『 北斗が悩んでるのって 』
松村「 … なぁ樹 」
ベッドから体を起こした北斗は 、俺の質問には答えず 、代わりに切なそうに話し出す 。
松村「 今まで俺 、ファンの人みんなが幸せで平等に愛をもらえるように頑張ってきたつもりだった 。でも 、あなたさんを好きになってあなたさんしか見えなくなって … 」
松村「 そんな俺にはやっぱりアイドルとしての自覚と覚悟が足りないんだろうな … w 」
『 北斗 …… 』
松村「 必死に忘れようとしてるのに 、どうしても笑顔が頭から離れない 」
松村「 だけど今の俺にあなたさんを幸せにすることなんて出来ないし 」
松村「 どうすればいいと思う 、、? 」
正直言って自覚と覚悟は足りないと思う 。
でも 、かと言って北斗も人間だ 。
アイドルだから恋ができないのも違う 。
それを承知な上で 、北斗は北斗なりの考えを出そうとしている 。
だからあえて 、ネガティブな北斗にこう助言した 。
『 “ 今の自分 ” にできなくても 、あなたさんを幸せにできる自分をこれから作っていけばいいじゃん 』
『 距離は離れてても 、あなたさんはきっと北斗のこと応援してくれるよ 』
夢野や 、世間なんかに負けるな北斗 。
俺は味方だから 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!