雨の日の帰り
傘を忘れて雨に濡れて帰っている
いや、天気予報見てたけど、自分で持ってこなかったんだ
だんだん雨が強くなってきた。
また、思い出した。
そう叫んで、雨なのか涙なのか分からない水滴を拭き取った
やっぱり、私はほかの人を愛せない。
頑張って幻夜を好きになろうとした。
翔葵に言われた事を守るため。
でも無理だった。今みたいにまた翔葵の事思い出しちゃう
重いって言われるかもしれない。
けど、いきなり好きな人が死んで、
それを受け入れて、また別の人をすきになるなんて
そんなことできる人がいたら尊敬するわ
私は声を上げて泣いた
雨の強さは、私の心を表しているようだった。
それと比例して、私もどんどん濡れていった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。