第11話

噛み合わない2人
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2022/01/08 09:07
第10話「噛み合わない2人」


最前線で駆たちが上位種と戦闘をしている最中
拠点では海たちが押し寄せるリグレットを相手に
交戦していた

海)1人で対処しようとするな!
常に複数人でリグレットにあたれ!

混乱するソルジャー達は海の号令により
落ち着きを取り戻しリグレットを倒していく

夜)なんとか対処出来そうですね。
海)油断大敵、気を抜くのはまだ早いぞ。
夜)すみません。
海)何が起きるか分からないからな...

その時だった北側、
春が立ち去った方のテントが吹き飛ぶ

海)なんだ!?
夜)新手!?

砂埃が巻き上がる中悠々と歩いてくるのは
大きな剣を持ったリグレットだった
その異様な姿から上位種だとすぐに分かる

海)ここにも出たか。
夜)海さん、あの方向は..
海)大丈夫だ、多分な。

夜が言おうとしている事はすぐに分かった
春が立ち去った方から来た上位種
交戦している可能性は高い

)黒いの...潰す..命令を遂行する。

夜)言葉を..!?
海)だが、そこまで知能は高そうじゃないな。
)見つけた、黒いの!

上位種が海達の方へ己の武器を投げつける

海)うぉ!?
夜)ッ!?
海)....!?..しゃがめ!!

2人して左に避けて躱し通り抜けた武器が
弧を描き再び2人へ襲い掛かる

海)ブーメランか!?
夜)危なかった。

海の咄嗟の判断でそれを回避した2人
大剣かと思った武器だがよく見れば
刃は欠けてキレそうにない

海)成る程、重量で押し潰す気か。
夜)近づきますか?
海)いや、投げた瞬間を狙う。

冷静に敵の動きを分析し攻撃の手を考える
戦場で生きてきた海の経験の賜物だ
しかし敵は上位種だけではない
この間も大量のリグレットが押し寄せている

)ん?潰れない...

再び武器を振りかぶり海たちへとぶん投げる

海)今だ!前に走れ!
夜)はい!

2人は投げられた武器に向かって走り出すと
ぶつかる手前でしゃがみそれを回避
そして戻ってくる前にと上位種へ斬りかかる

海)はぁ!
夜)せい!

だが2人の斬撃は硬い皮膚に弾かれる

夜)硬い!
海)来るぞ!離れろ!

戻って来た武器を掴んだ上位種が
真下へそれを振り下ろす寸前で離れる2人だが、
地面を穿った反動で飛っ散った瓦礫が夜に当たる

夜)っ!?
海)夜!?大丈夫か!!
夜)..掠っただけです、戦えます!
海)血が出てるだろ!

瓦礫が当たった腕は
袖が破れ血が滲んでるのが見える

夜)海さん一人で上位種と戦わせるわけには...
陽)強がりはやめとけよ、夜。

懐かしい声に勢いよく振り向くとそこには

郁)お待たせしました!
涙)援軍、到着。
陽)負傷者は下がってろ!

陽、郁、涙が到着し戦闘に参加する

夜)陽!?
海)援軍か、助かる!
こいつは俺が抑えるから非戦闘員から救助しつつ
他のリグレットを片付けてくれ。
夜)海さん、俺も残りま...
陽)ほら、行くぞ夜!

残ると言おうとした夜の腕を引き
陽が問答無用で下がらせる

夜)離してよ、海さんが!
陽)怪我人がいても足手まといなんだよ!

正論に言葉を詰まらせる

陽)負傷者は中央のテントに集まってる、
だから夜もそこに..
夜)嫌だ。
陽)お前な...
夜)俺だってソルジャーなんだ、
自分だけ安全な場所にいるなんて出来ない!
陽)研究員あがりで戦闘慣れしてないくせに!
夜)それでも俺は戦う!
陽)この、頑固者!
夜)分からずや!

郁)ちょ、ケンカはやめ..
涙)ダメだよ2人とも、今は戦闘中だよ。

ダメ絶対。とゆう涙の指摘に毒気を抜けれる2人

陽)今は、それどころじゃないな。
夜)でも俺は譲らないからね。
陽)チッ、続きは終わってからだ。

納得いかないまま、救助と掃討を続け
あらかた片付いたのは深夜になってからだった


つづく

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