「 ごめんな 、昨日は抜けて悪かった! 」
『 別に怒ってないよ?笑 いつものことだし 、』
嘘 、本当は怒ってる 。
樹にそんなこと言ったら困らせるだけ彼女でもないのに
「 でも楽しそうで羨ましいわ!ストーリー乗ってたし 」
〔 はあ?彼女のとこに居たくせに何言ってんだよ 笑 〕
と 、慎太郎がやって来て言った 。
『 ほんとだよリア充め!!笑 』
なんて笑って誤魔化す日々にも慣れた 。
「 … ごめんな!絶対埋め合わせするから! 」
『 いいよいいよ 、彼女は大事にした方がいい〜の! 』
〔 あなたは良い奴すぎるんだって 、〕
良い奴なんて言えない 。
心の中真っ黒で樹と知らない女の幸せなんて祝えるわけ
「 俺さ 、」
と 、樹が何か言いかけたところで樹の携帯がなった 。
また彼女だろう 。そんなの予想が着くに決まってる
「 はあ 、ごめん 、行かなきゃ 。」
『 、 なんでそんなに悲し顔してんのよ 、』
「 … あなた 、いつもの駅前に18時に必ず来て 、」
なにを言われるか分からないから正直行きたくなかった
この気持ちにけじめを付けることになりそうで
「 俺 、待ってるよ 。じゃ 、 」
と 、真っ直ぐ目を見つめられて言われる 。
『 しんたろ 、』
〔 んん 、あなた 、行ってきな? 〕
『 分かってるんだけど 、怖いの 。』
樹にずっと好きだった樹に会えなくなるかもしれない
〔 後悔だけはして欲しくないんだ 、ね ? 〕
『 … そうだね 、しんたろ慰めてね 、笑 』
〔 それはもちろん 。笑 大好きな友達のためなら 、〕
18時 .
『 じゅり 、っ! 』
妙にそわそわしている樹を見つけて駆け寄る 。
「 あなた 、来てくれてありがとう 」
『 … そんな顔しないでよ 、』
悲しそうな顔をする樹に
私もどんな顔をしたらいいか分からなくなった 。
「 ちょっと歩かね? 」
『 うん 、いいよ 』
「 … 俺さ 、彼女と別れてきた 」
突然の言葉に驚いて声が出なかった 。
「 見て 、ここ 」
と 、自分の頬の絆創膏を貼ってあるところを
指して力なく笑った 。
「 叩かれちゃったよ 、笑 」
『 … なんで 、』
「 彼女より守りたいやつが出来たから 」
『 … ん 、そっかぁ 。』
これ以上のことは聞きたくなかった 。
だって私はまた失恋するから 、
「 ねえ 、あなた聞いてくれる? 、」
『 … いや 』
急に涙が溢れそうになって俯く 。
「 俺さ 、」
『 嫌だよ 、聞きたくなんかないっ 、』
「 あなたっ 、! 」
『 聞きたいわけないじゃん … 、何回目の失恋 、私 、』
「 …っ 、ねえ 、顔上げて 、」
と頬を包まれて涙が出ながらも顔を上げると
「 俺 、あなたが好き 」
『 … 、え 、? 』
「 守りたいって思った 、きっと笑うんだろうなって 」
私のこと好き 、?
ずっと好きだった樹が私のことを好きって 、
「 ねえ 、あなたの気持ち聞かせて、? 」
『 … 私はずっとじゅりのこと好きだったよ 、』
「 …じゃあ俺らすれ違ってたんだな 」
なんて笑って私の体をぎゅっと包み込んだ
『 じゅりは鈍感すぎ 、私ずっと樹しか見てなかった 』
「 … ふっ 、かわいい 」
『 ねぇ 、これって両思いなの 、? 』
「 そうだよ 好き好き同士 笑 」
いつも見たいにふざけて笑いあった 。
『 しんたろっ! 』
後日しんたろうに報告をした 。
「 俺ら付き合うことになった 」
『 なりました! 』
〔 ええ 、嘘!おめでと!やっとかあっ 〕
と 、腕をぶんぶんっと振って喜んでくれた 。
〔 でも本当におめでとう 嬉しいよ 、俺も 〕
今度は優しい顔をして私の頭にポンっと手を置いた 。
『 ありがと 、慎太郎のおかげ 』
「 … 慎太郎 、手どけろ 」
〔 嫌だなあっ!友達だぁよ?笑 〕
『 … かわいいっ 、じゅり 』
〔 本当に急に 笑 かわいいやつだな樹も! 〕
こんなふうに関係が変わっても笑いあっていて
こんなふうにずっと笑いあっていたいなあっとね?
END .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。