私にはずっと好きな人がいる 。
けど 、アイツは絶対に気づかないし 、
私は 好き だと好意を伝えることもないだろう 。
「 なあ 、あなた 〜 」
『 んもう なに! 』
「 おねがい!手伝って 、レポート間に合わないの 」
『 本当に樹って成人してんの?ってくらい子供だよね 』
「 ひどっ!ってか俺も頼れるやつお前しかいないわけ 」
なんて勘違いさせるような言葉をすらりと口にするが 、
じゅりには彼女がいる 。
『 じゅりはさ 、』
「 ん 〜 、? 」
『 私の事どう思ってるわけ? 』なんて言葉が
私の中に浮かんだが 、言うのを辞めた 。
じゅりに期待なんかしちゃダメだって分かってるのに 、
『 ううん 、なんでもない 、』
「 なんだよそれ!お前らしくねぇな! 」
『 はあ 、今回だけね 、手伝ってあげる 』
「 さんきゅ〜!それでこそあなただ!なんでも奢る! 」
無事にレポートが間に合ったと言う連絡があると 、
じゅりと次に飲みに行く約束をした 。
「 は?なんでお前まで居るんだよ 笑 」
〔 え!樹とあなたが飲みに行くのに俺セットでしょ! 〕
と 、大学で同じの慎太郎が言う 。
慎太郎は良き相談相手 。すごく優しくて人がいい
『 んまあ、樹だって彼女居るんだし 、2人きりじゃ 』
〔 そーいうこと!笑 〕
「 分かったよ 。笑 けど お前のは奢らねえからな! 」
〔 ええ 、ひどおい樹くーん! 〕
なんだかんだ3人で盛り上がっている時
樹の携帯が音を鳴らした 。
「 もしもし 、」
だんだん顔が険しくなる樹に私は想像がついた 。
「 はあ 、ごめん 。抜けなきゃ 、これ金 」
『 … 彼女? 』
「 うん 、ちょっと急用みたいで 」
『 行ってきな 、今度埋め合わせしてもらうからね! 』
なんてわざと明るく振舞っている私に嫌気がさしてくる
〔 はあ 、あなたも良かったわけ?あそこで行かせて 〕
『 しょうがないじゃん 、樹の優先順位は彼女だもん 』
〔 このままじゃずっとこの関係のままなのに 〕
『 …ん 、自分でも分かってる 。けど 、』
このままでも樹のそばに居たいなんて思ってしまう
こんなに私の事好きにさせたくせに 、樹のばか
〔 … ふはっ 、今日は付き合いますよ?お嬢さん 、笑 〕
『 本当に 慎太郎が友達で良かったよ 、』
〔 あらら 、結構酔っちゃってるのね 笑 〕
酔いが回らなきゃこんな素直になれないんだもん 。
樹にもこんなふうにできてたらなにか変わったのかな
続く .
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。