私がそう声をかけたのは2軍の中で最も勢力があるサッカー部の福留司とバレー部の大野優花里。
確か、優花里は倉科君が好きだったはず…
あと司は…
………男にしか興味が持てない人…。
簡単に食い付いた…。
約束をして、私は沙羅に今日は一緒に食べれないことを伝えた。
そして、やってきた昼休み。
クラスの女子が固まるような出来事を柚稀はやらかすことになった。
みんながお昼を食べるためにそれぞれの動きをする中、柚稀が出したのはケーキワンホール。
「いただきまーす」と口にして、ワンホールを切らずに付いていたフォークで食べ始めた柚稀。
少し食べたとこで…
柚稀が一口分取ると、楓の口に入れて再び食べ始める。
また一口取ると、燎君の口に入れた。
その光景に教室にいた女子、そして近くにいた司が固まった。
…と言いつつも、柚稀はケーキから苺を一つ摘むと倉科君の口に投げるように入れた。
また女子は固まり、私と司は優花里に腕を引っ張られ教室から出て屋上前の階段へ。
倉科君の好意の先に優花里が言葉を失う。
でも、スグに立ち上がると両手を握って…
そのとき、私は改めて優花里は本気で倉科君のことを大好きなんだな…と実感した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。