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第115話

学園祭 2日目
三室 弥生
今日は午前中は休みなんだっけ?
夕凪 沙羅
うん!どの店見に行く?
三室 弥生
う〜ん……って、徹。どうしたの?
篠田 徹
……ん、別に…。
何か言いたげな表情の徹。
すると、沙羅が察したように手を叩く。
夕凪 沙羅
なぁ〜んだ!徹〜、ちゃんと言ってくれればいいのに〜!じゃ、おじゃま虫になっちゃう私は潤と回るわ〜
篠田 徹
え、ちょっと、待っ ──
夕凪 沙羅
じゃね〜!!!
沙羅がいなくなり、私と徹だけが残された。
三室 弥生
行っちゃったね…
篠田 徹
あ、ああ…
三室 弥生
…んー、よく分からないけど時間もなくなるし取り敢えず行こ!
私はそう言うと、少し戸惑っている徹の背中を押して歩き出した。
三室 弥生
徹さ、昨日の演奏凄かったね!ギターやってたんだ?
篠田 徹
まぁな。
三室 弥生
入学動機もギターなの?
篠田 徹
そんなとこ。昔からギターとか好きだったからここの高校でもっとやろうと思ってたけど、バンドのメンバーの奴らと意見が合わなかったからキッパリやめた。
三室 弥生
…もしかして、意見の違いでもめたことあったからいつもあまり自分の意見言わない感じ…?
篠田 徹
あまり意識はないけど…そうかも。
それなら徹が静かなのも納得いく。
きっと争い事が嫌いなんだ。
いつも凌久が暴れ始めたときも止めるか、もうその場からいなくなるかの二択。
クラスでの多数決では一回も手を挙げている場面を見たことがない。
だから、徹は人に優しいのか…
徹の横顔を見ながらそんなことを思う。
私なんか雪奈と問題起こしまくる方だし、今だってバレてないだけでかなりの問題児だし…
三室 弥生
う〜ん……徹はもっと自分の意見を言ってもいいと思うよ?
篠田 徹
そっか…ありがとう、弥生。
三室 弥生
う、うん…
徹に"弥生"と下の名前で呼ばれると何処か胸が熱くなるっていうか…何か複雑な気持ちになる。
多分、これが好きってことなんだろうなぁ…
最初は自分の地位のためだったけど…
篠田 徹
早く行かないと人が多くなるか…弥生は何処か行きたい場所ある?
三室 弥生
…え、あ、ここのお店とか行きたい!
篠田 徹
?…じゃ、そこ行こっか。
徹は私が見蕩れてて反応が遅れたのを少し不思議そうにしながらも、快く意見を受け入れてくれると私の手を取って歩き出した。
繋がれた手を見て、何だか恥ずかしくなる。
今思えば、一回も手を繋いだことがなかったかも。
少し早歩きで徹の隣まで行って顔を見ると、微かに頬が赤く染っているような気がする。
三室 弥生
…ねぇ、照れてる?
篠田 徹
…照れてない。
三室 弥生
本当に?
篠田 徹
………照れてる…かも。…てか、そういうこと聞かなくていいから!
三室 弥生
はいはい。
照れて拗ねた徹を引っ張りながら、目的の店を探していると、女子に囲まれ困り顔の倉科君がいた。
篠田 徹
拓哉のやつ、困ってるな…。
三室 弥生
そりゃ、そうでしょ…。
倉科君の一緒に回りたい本命は柚稀だろうし…。
空閑 柚稀
何か凄いね…
三室 弥生
うん……ん、ん?
いつの間にか私達の隣にいた柚稀は制服を一旦脱いだのか、帽子を目深に被って、ポニーテールを揺らしている。その後ろには悠翔君もいた。
空閑 柚稀
それにしても新鮮な絵で…2人ともお似合いだよ…。
漣 悠翔
弥生さん、彼氏いたんですね。しかも徹先輩じゃないですか!
三室 弥生
ま、まぁ…。
篠田 徹
お、お前ら、どうしたんだ?
漣 悠翔
俺は凄い無茶なお願いをしちゃったんで徹先輩にそのお礼渡したくて。本当にありがとうございました。
そう言って、悠翔君が紙袋を徹に渡す。
渡すと「では、この辺で。」とスグにその場から去っていった。
三室 弥生
柚稀ちゃんは?
空閑 柚稀
私は〜…颯斗がお化け屋敷行こう言うから逃げてて…そしたら…
篠田 徹
…迷子か。
空閑 柚稀
そうですね…
三室 弥生
そこに倉科君いるよ?
空閑 柚稀
何か大変そうだし〜…帰ろっかな。
三室 弥生
え、帰るの?
空閑 柚稀
昨日、ずっと歌っててもう声がカッサカサだから…
三室 弥生
道理で声が小さいわけね…
空閑 柚稀
あはは…じゃ、帰るわ。多分、明日あたり風邪引いて学校来ないと思うからよろしく…。徹君、ありがとね…。
篠田 徹
ああ、お大事に。
三室 弥生
お大事に〜
空閑 柚稀
ありがと…。
カッサカサ声の柚稀は軽く手を振ると、私達の元から去った。
じゃあ、明日は学校に来ないんだ…。
何か出来ることがないか考えておかないと…
それからは一旦、下剋上のことを忘れてただ単に徹との時間を楽しんだ…。