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第110話

新担任&教育実習生
三室 弥生
え、先生変わるの!?
夕凪 沙羅
う、うん。
また変な夢を見て疲れてる上、誰もが面倒くさがる土曜授業の日にこんな朝から私が驚きの声を上げたのは、沙羅から担任が変わると聞いたからだった。
夕凪 沙羅
ほら、このクラス、沢山亡くなっちゃってるじゃん?それは先生の教室を見る意識が足りなかったって話でクビになったんだって。
三室 弥生
あぁ、確かに…。
怜央と琴葉は完全に私のせいだけどね…
三室 弥生
性別は?
夕凪 沙羅
女の先生って言ってたから、教室の男子が大騒ぎしてるよ。
言われてみれば、今日は男子がいつも以上に騒いでいる。
キーンコーンカーンコーン…
夕凪 沙羅
おっ、もう来るんじゃない?
三室 弥生
席に座らないと。
全員が席に着いたところで校長先生と一緒にスポーツ服を身につけた若い女の先生が入ってきた。


その瞬間、後ろから「えっ」という声が聞こえた。
校長先生
えー…突然ですが、担任の青山先生がお辞めになったので本日から新しい担任の先生に入ってもらいます。では、自己紹介の方を。
先生
はい!今日からお世話になる ──
教壇に立ち喋りながらチョークで黒板に名前を書こうとした時、教室のドアが開く。


入って来たのは、前よりも酷く頭に包帯を巻いてポニーテールを揺らす柚稀だった。
空閑 柚稀
遅れてすいません…って、誰ですか?
先生
今日からこのクラスの担任をすることになったの。よろしくね。
空閑 柚稀
は、はい…。
先生
遅刻ってどうしたの?それに、凄い怪我までしちゃって。
空閑 柚稀
ちょっと喧嘩しちゃって…今朝、やっと家に戻って来たのでそこから準備してたら遅れました。
月城 楓
何でそこで立ち止まって…
柚稀と同じくらいボロボロになった楓が教室の前で立ち止まる柚稀を押して入って来た。
新しい先生を見ると一瞬そのまま席に向かおうとしたが、立ち止まると二度見した。すると…
月城 楓
え…ちょっ、何やってるんですか…
空閑 柚稀
楓、知り合いなの?どんな関係?
月城 楓
関係って言うか……拓哉の母さん。
楓の言葉に騒ぐ男子達を含め、全員が水を打ったように静まり返った。
え…
パッと倉科君の方を見ると今の状況が理解出来てないと言いたそうな顔をしており、その前に座る燎君は笑うのを堪えていた。
空閑 柚稀
拓哉のお母さん!?
先生
まぁまぁ、自己紹介するから。
再びチョークを持ち、黒板に向かうと綺麗に名前を書いて私達の方を向いた。
倉科先生
倉科くらしなゆきです!教科は体育を教えます!
校長先生
えー、今さっき月城さんが言っていましたが、倉科拓哉君の母親です。普通なら子供がいる学級の担任を親がすることはないんですが、教育委員会から絶対公平の方だと推薦があったため、特別に担任にあたってもらうことになりました。
燎 颯斗
あー、絶対公平は分かるかも。
倉科 拓哉
颯斗、ちょっと黙れ…。
校長先生
あと男バス顧問の野崎先生がギックリ腰で入院したので、倉科先生に顧問をお願いすることになりました。
倉科 拓哉
はぁ!?
燎 颯斗
ちょっ、待って、辛っ。
夕凪 沙羅
えっ、親が担任に顧問とか凄っ。
大笑いする燎君と沙羅。
倉科先生
学校なのでちゃんと知り合い関係無く公平にやらせてもらいます!皆さんと仲良くなりたいので良かったら声をかけてください。では、これからよろしくお願いします!
みんな口々に「よろしくお願いします」と言う中、倉科先生が何かを思い出したように…
倉科先生
あ、校長先生?私、今日から入る教育実習生の指導もするようにって言われたんですがその方は?
校長先生
あぁ、彼ならアクシデントで少し遅れてます。もうすぐ来ると思いますよ。
女子
彼!?じゃあ、教育実習生って男!?
女子
えっ!マジで〜!
女子
楽しみなんだけど〜!!
教育実習生
すみません!遅れました!!
空閑 柚稀
わっ!
教室に駆け込んできた実習生が前でまだ立っていた2人の内の柚稀に後ろから思いっきりぶつかった。


押された柚稀は前に倒れて運悪く教壇に置かれている教卓の角に頭に巻かれている包帯のちょうど中心に当たり、小さな呻き声をあげてその場にしゃがみこむ。
柚稀を心配する声が上がる中、ほとんどの女子が教育実習生に黄色い歓声を上げていた。
体育の先生だが控えめなスポーツ服を着ている倉科先生を押し退けるような完全なジャージに普段から鍛えていると思われる無駄肉無しの体、その姿は誰が見ても"The・体育系"だと思うだろう。
顔も上の中くらいでモテる方。


だが、1つ私が思ったことがあった。
この人、絶対にチャラいでしょ…。
耳にはピアスの穴が何個もあり、そこから私は絶対にチャラい……てか、普通に学校にイヤーカフと小さな飾りが付いたピアスを堂々としてきている時点で十分チャラい。
千代瀬はピアス、化粧、パーマ…他の学校で引っかかるものは何でもありだった。
何故ならモデルや芸能界でも活動してる子は髪のセットやピアスをしなきゃいけないときも来るから。
だから、教師もいいらしいけど実際にしてる人は誰一人としてもいない。
それを実習生からやるとはかなりの度胸がある。
校長先生
く、空閑さん、大丈夫ですか?
教育実習生
ごめん!君、大丈夫?
空閑 柚稀
大丈夫です…。
とか言いながらもまだ完全に傷が治っていない状態でぶつけたことで包帯に血が滲み出していた。
押さえてた手を見て柚稀が「はぁ…」と大きな溜息を零す。
燎 颯斗
柚稀!包帯なら俺、巻けるから早く席に来たら?
空閑 柚稀
ありがと。
楓と戻った柚稀が席に座ると、燎君が包帯を貰って柚稀の後ろに立ち巻き直し始めた。
燎 颯斗
続きやってもらって大丈夫ですよ。
校長先生
ああ、では、井上先生も自己紹介の方をお願いします。
校長がそう言った時には既に実習生は黒板に名前を書いていた。
井上先生
えー、俺は井上いのうえ澪晴みはる!今日から教育実習生としてみんなと過ごすことになるからよろしくな!
三室 弥生
ん?
どっかで見たことのある文字の並び…。
でも、知り合いにはいなかったような気が…
校長先生
それではあとはお願いします。
倉科先生
はい。今日の1、2時間目は男女合同で体育を体育館でやるので遅れないように気を付けてね。
いつもならしないくせに今日はみんなが大きな声で返事をする。
何かこの2人だと私の下剋上が凄い面倒臭いことになりそうだ…。