デザートを全て食べ終わった柚稀が食べた分だけのお金を机に置くと、軽く手を振ってファミレスを後にした。
まだ飲み終わっていない琉依はポットに残っている紅茶をティーカップに注ぎ、静かに飲む。
すると…
それだけを言うと、琉依はお金を机に置き、ファミレスからいなくなった。
翌週の特別時程の日、琉依達の予想通り私は沙月達に遊びに誘われていた。
沙月達と言っても、綾は塾だと言うことで抜けて、沙月と雪奈、そして私の3人。
でたでた、沙月の自慢。
駅前で沙月と雪奈と別れて、2人が電車に乗ったのをしっかりと確認してから、ファミレスへ。
ファミレスに着くと、既に2人が座っていて、柚稀がスイーツを食べているから2人が着いてからそこそこの時間が経っていることが分かった。
柚稀に促され、私は2人の向かいに座る。
"wave"っていうのは10代20代に人気なアプリ。
今話題のニュースを見たり、呟いてみたり、写真や自撮りの投稿、チャットなどもすることが出来る。
自撮りを投稿して、周りからの高評価を求めている人などが多くて、若世代が多いらしい。
1つは私も知っている。
モデル業もする沙月の定期的な自撮りが投稿されている垢。たまに私にもどっちの自撮りの方が良いかとかを聞いてくることがあったから、その垢のことは把握済みだった。
少し笑いながら、琉依がスマホをいじり、私に画面を見せてくる。そこに写っていたのは…
…………メイド服を着た沙月だった…。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!