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第25話

弁償
顔を上げた柚稀は…
空閑 柚稀
うん。大丈夫!バケツの水無くなったしもう一回変えてくるよ。
そう笑顔で言うと、床に落ちていたバケツを取り、教室の後ろからジャージを取るといなくなった。
柚稀の反応が面白くなかったのか沙月が不満そうな顔をする。
峰本 沙月
はぁ?つまんねーの。
本郷 めぐみ
悲鳴あげれば良かったのに!
如月 琉依
……。
愚痴愚痴話す沙月とめぐみを、黒板を掃除していた琉依が不吉な笑みを浮かべて見ていた。
空閑 柚稀
よいしょ…
帰ってきた柚稀はジャージに着替え、バケツにたっぷりと水を入れて重そうに運んでいた。
そして…
空閑 柚稀
あっ!
わざとらしく足を滑らした柚稀。
バケツの水を思いっきりスマホを見て、騒いでいた沙月達にぶっかけた。
広瀬 雪奈
冷たっ!!!
本郷 めぐみ
うわっ!何!?
私は咄嗟に避けたものの、その勢いで振り回されたバケツにスマホが弾き飛ばされる。
パキ…ッ…!
桐山 桃香
ちょっ…!?
慌てて拾うと、画面はついているけど、バッキバキに割れていた……。
桐山 桃香
嘘でしょ…
峰本 沙月
おいっ!空閑!!!
沙月の怒鳴り声が教室を静かにさせた。
手には画面が真っ暗になったスマホが握られてる。
峰本 沙月
お前、何してくれるの!?
空閑 柚稀
何って?足を滑らしただけだけど?
峰本 沙月
とぼけんな!!!
沙月が振り上げた右手の手首を柚稀が掴む。
広瀬 雪奈
マジ最悪〜!スマホ、壊れちゃったじゃん〜!
本郷 めぐみ
弁償だ!弁償!!!
鈴木 綾
そうだよ!弁償してよ!
他の3人も壊れたのか、濡れた制服や髪よりも先にスマホ電源ボタンを押しまくっている。
峰本 沙月
4台…いや、桃香は?
桐山 桃香
電源はつくけど、画面はバッキバキに割れてるよ…
無残な形になったスマホを沙月に見せる。
すると、沙月はスグ柚稀に向き直り…
峰本 沙月
5台。5台を全部弁償してもらおうか。
空閑 柚稀
分かった。
峰本 沙月
は?
”スマホを5台弁償”は普通なら絶対に無理。
そう沙月は確信して、言ったのだろう。


「無理です、ごめんなさい。」と言う柚稀が見れると思っていたから。
でも、柚稀は当たり前のように自分の荷物のところへ行くと中を探る。
そして、取り出したのは少し大きめの紙袋。
空閑 柚稀
はい。これでいいの?
怠そうに欠伸をして、柚稀が紙袋を差し出す。
その紙袋を沙月が柚稀から奪うように取り、中身を見ると、「え…」と小さく声を漏らした。
沙月が紙袋の中から取り出したのは、5つの箱。
その箱には私達がそれぞれ使っているスマホと全く同じ写真が印刷されている。


そして、フィルムでラッピングもされていた。


つまり…新品だ。
空閑 柚稀
しっかりと5台、弁償したから文句言わないでよね。
柚稀はそう言い沙月を押し退け、自分が撒いた水を雑巾で拭き始めた。
本郷 めぐみ
ちょっ、空閑!!スマホに入っていた写真とかはどうしてくれるんだよ!!
空閑 柚稀
は?知るわけないでしょ。
本郷 めぐみ
はぁ!?
空閑 柚稀
…人の物を壊したなら、同じものを与えとけばいいんだよね?
柚稀は冷たい目でそう言ったが、その視線は沙月に向けられていた。
空閑 柚稀
形さえ同じだったら、中に詰まっていた見えないものは捨てていい。
峰本 沙月
何が…言いたい……。
空閑 柚稀
そのままの意味。他の人がされた気持ちを少しは考えたら口だけ女王様?本郷も文句があるなら峰本に言いなよ。峰本がしたことと同じことをしただけだし。
峰本 沙月
あっ…
心当たりがあったのか沙月が声を漏らす。
めぐみは激怒していたが、沙月に対しては聞くことが出来ないのか、頬をピクピクと震わせながら怒りを抑えている。
空閑 柚稀
じゃ、掃除するから。汚いしさっさと着替えてくれば?
その一言で沙月はものすごく怒っていたが、取り敢えずはそこで終了した…。