柚稀を中心に攻撃が続き、私達は大きな差をつけられて負けた。
その間、沙月が柚稀から無理にボールを取ろうとしたことで突き指をした。
柚稀は沙月の怪我に気付くと、スグに「ごめん〜」と謝り、まだ大丈夫だから冷やすようにって言って氷嚢を沙月に渡していた。
だが、その行動に腹が立ったのか沙月は貰った氷嚢で指を冷やさずにいた…。
次の日、沙月の指には湿布が貼られていた。
教室中に聞こえるような声で言ったのはめぐみ。
昨日の琉依と柚稀が相当ムカついたのだろう。
汚名返上のつもりがさらに負けたんだから。
しかも、サボり魔で有名な柚稀に。
数日前には転んで突き指をして湿布をしていた他の女子に「そんなので痛がるとか弱すぎ。」と言って笑っていた。
沙月のことは棚に上げてるねぇ…。
心の中で笑いながら私は黙っておくことにした。
少し戸惑い気味に返事をする3軍に落ちた雅。
他の2人はそんな雅に不思議そうな表情を浮かべていたけど、1つ分かったのはめぐみの発言を完全に無視したこと。
そんなヤンキー系がいる場所に沙月とめぐみを先頭に私達は向かった。
その瞬間、教室が水を打ったように静かになった。
沙月がそう言うと、柚稀は沙月の湿布が貼られた指に視線を落としてから……笑った。
図星を突かれて沙月が黙る。
でも、めぐみはそれでも負けじと…
すると、黙ってた琉依が…
そうやって、沙月を煽って笑う琉依と柚稀。
その2人を見て、沙月は正しいことを言われた悔しさと腹立つ態度の怒りから顔を真っ赤にしてギリギリと歯軋りをしていた…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。