無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第79話

諦めるが負け
女子は何とかその後も勝ち続けて、ブロック優勝まで辿り着くことが出来た。
坂上 潤
やったね!
夕凪 沙羅
うん!今回は弥生の大活躍だよ〜!
三室 弥生
そうかな?
夕凪 沙羅
そうだよ!
勝ったことにとても嬉しそうな沙羅が満面の笑顔で笑っている。上機嫌のようだ。


辺りを見回すと、試合を見に来た琉依はスマホで男バスの試合を撮り続けていた。
そして今、私達女バスはギャラリーで男子の応援をしている。
別に3人くらい応援しなくても、他の女子部員が応援に熱入ってるし、バスケ部じゃない千代瀬高校の子まで来て一緒に応援している。
そんな男バスも順調に進んでいた。だが…
夕凪 沙羅
げっ…この試合勝ったら、決勝戦だけどさ、対戦校って篠宮高校じゃん…。
坂上 潤
え!もう!?
三室 弥生
その学校、何か聞いたことあるかも。
確か…スタミナとパワーが均等なバランスタイプが多いチームだとか。毎年、都大会出場は勿論。全国大会にも顔を出すことが多いとかめぐみに聞いたことがある。
坂上 潤
大丈夫だといいけど…
夕凪 沙羅
まぁ、そこは信じるしかないっしょ。
三室 弥生
そうだね…。
準決勝も勝ち進み、やってきた決勝戦。
沙羅が言っていた通り対戦校は篠宮高校だった。
何か……押されてる…?
それが試合を見ていた私の第一印象。
応援は圧倒的に千代瀬高校の方が大きい。
だけど、点数は両チーム何点も取っているようにみえるが、実際の得点は千代瀬高校の方が少ない。
試合の半分が終わり、燎君がチームメイトに指示などの声をかけている。
三室 弥生
…倉科君じゃなくて燎君なんだね。
夕凪 沙羅
あーね。燎の方がリーダーシップがあるからねぇ。でも、本人が部長をやりたくないって言い張ったから。
三室 弥生
へぇ…
第3Qの残り7分の時点で点差は22点。
心配になってきたのか沙羅と潤の表情が少し曇る。
そんな時…
伊藤 雅
琉依!お待たせ〜!!
如月 琉依
遅いよ、雅。
肩から大きめの斜め掛けポーチを下げ、スマホで動画を撮る琉依に近寄った雅。
私と目が合うと雅は「おめでとう」と口元だけをうごかしてニッと笑った。
伊藤 雅
いやいや、いきなり無理あるじゃん?
如月 琉依
考えられることだろ。
伊藤 雅
考えてたけどさぁ…ま、いっか!
苦笑いを浮かべた雅が男バスの試合に目を向けて…
伊藤 雅
…姫にしては珍しい我儘だし〜?
面白いものを見るようにニヤついた雅。
その瞬間、ギャラリーがザワついた。
女子
え、何あの子?
男子
服装とか場違いじゃね?
坂上 潤
ねぇ、2人共。あれって…
夕凪 沙羅
ちょっ、マジ!?
三室 弥生
柚稀…。
真っ黒の綺麗なドレスに身を包んでいる柚稀が当たり前のように千代瀬高校のベンチに向かう。
その表情は微かに怒っているようにも見えた。
ベンチに着いた柚稀はベンチに座る男子に声をかけレギュラーと全員交代させて、端に座る。
その行動に報道陣も少し騒ぐ。
三室 弥生
コンクールを放って、試合会場まで来たってこと…
倉科君達も困惑の表情を浮かべ、この会場にいる誰もが状況を呑み込めなかった。
やがて、点差は変わらないまま第3Qが終わる。
休憩時間になった時、柚稀が動いた。
腕を組み、コートに背を向けて立って、ベンチをじっと見つめる。
そして…
空閑 柚稀
千代瀬高校男バスの悪い部分!!!
諦めが早い!!!!!
会場全体に響く柚稀の怒鳴り声に近い大声。
その声に会場が静まった。
空閑 柚稀
コンクールの予選通って大人の部待ちにここに来るまで4325円!それまでして来たってのに何で諦めてるの?だから、毎年負けるんでしょ!?最後まで諦めるな!!!!!
ピリピリした空気が走り、柚稀の話を周りの人が一斉に小声でし始める。
女子
千代瀬男バスの新しいマネージャーってあの子?
女子
バスケ部に入ったことは無いらしいって聞いたけど…
空閑 柚稀
……正直、強化合宿の内容は学生にはキツすぎるかなって考えるようなの作ったけど、みんなは何も言わずに全部こなした!!努力は出来て、力はある!!!毎年、負けてるから今年も勝てない?そんなのは思い込みに過ぎないよ!!!
その言葉に男バスが顔を上げる。
柚稀の目は真剣そのものでいつものほのぼのした雰囲気は全く見られない。
空閑 柚稀
部長、倉科拓哉!!!部長が1番最初に諦めてどうする!?そんなのじゃチーム全体の士気が下がるぞ!!!どんな時でもすました顔してさぁ?でも、本当は最初に諦めてる。そこが拓哉の大嫌いなところ!!
燎 颯斗
ちょっと、柚稀!!!それは言い過ぎだよ!!
燎君の言葉を無視して、倉科君に歩み寄ると未だに下を向く倉科君の顔を両手で上を向かせる。
そして、響くけど静かな声で…
空閑 柚稀
拓哉。拓哉が1番努力してるのは知ってる。だからこそ、諦めたら駄目だ。そして、バスケは真剣にでも楽しむもの。そんな辛そうにやるな。…最後まで根性見せてみろ。
そこまで言ったところで休憩時間の終わりを告げるブザーが会場に鳴り響いた…。