3人で教室に入ると、既に教室にいた女子が写真を見て騒いでいた。
落書きをされ教室の端にある有咲の机を見て、コソコソと女子達が話している。
周りのクラスの様子も同じような感じだった。
教室に入ってくるなり、写真を見ためぐみは写真の有咲を鼻で笑い、綾は引いていた。
そんな会話をしていると…
登校してきた有咲が固まる。
黒板に貼られた自分のタバコを吸う姿の写真、教室の端にある落書き入りの自分の机、床に散乱している教科書。
そこからだと見えないけど、ゴミ箱の中には捨てられた教科書や体育着がある。
ヒソヒソと話す女子達を有咲が睨む。
睨まれ、女子達は一斉に目を逸らす。
登校してきた琉依と柚稀が教室の入口に立つ有咲を押しのけて、教室に入る。
すると、この光景が見えたのか柚稀が…
でも、そんなに気にしてないのか柚稀は欠伸をし、スグに琉依と自分達の席に向かった。
そして、私が待ちに待った瞬間が来た。
ピンポンパンポーン♪
[2年4組新村有咲さん。至急、職員室に来てください。繰り返します。2年4組の新村有咲さん……]
必死に笑うのを我慢している声で雪奈が言うと、有咲は顔を真っ赤にして、荷物を落書き入りの机の上に乱暴に置くと、教室から消えた。
2軍の中でもトップのバレー部が愚痴り始めた。
しばらく、聞いていたが最後には…
少しして帰ってきた有咲はスグに帰った。
噂によると、謹慎処分だと言うことだ。
そして、バレー部は有咲により停部。
全てが私の予定通りに進んだ。
これで有咲は学校に来れないようになった…。
学年だけじゃなく、先輩も後輩もタバコの話のことを知っているから。
これでやっと1軍の番だ…標的は……
私は何も知らずに会話で盛り上がっているめぐみを薄らを笑みを浮かべながら、横目で見た…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。