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第14話

準備と練習
今思えば、文化祭まであと10日。
配役の3日後からカフェの準備が始まった。
劇は音楽室で練習することになって、カフェの生徒もたまーに見に行っていた。
広瀬 雪奈
桐山ちゃーん!そこにあるやつ取ってもらっていい?
桐山 桃香
あ、うん!
そう言って、箱の上に乗ってたカラーペンの束を雪奈に手渡した。


雪奈は意外とノリノリで準備を手伝ってくれ普通に助かる。
一方……
本郷 めぐみ
あははっ!ほんと、それな〜!
ずっと他の人と話して、全く仕事をこなしてくれないめぐみ、いい迷惑だよ。
如月 琉依
チッ……うっせーな…。
琉依の舌打ち混ざりの愚痴がめぐみの耳まで届いたらしく、パッと振り返ると琉依を睨みつけた。
本郷 めぐみ
如月、なんか言った?
如月 琉依
うっせーな、って言ったけど。
さっさと口動かすんじゃなくて手を動かせよ。それとも、その手はボールを投げることしか出来なかった?
あの体育の日を境に、めぐみは琉依を完全に敵と認識していた。
本郷 めぐみ
……別に出来るし。てか、如月のとこの空閑はちゃんと劇とか出来るわけ?寝惚けて手を挙げたんじゃないの?
自分のことは棚に上げ、その場にいない人を馬鹿にし始めるめぐみ。
めぐみの言葉に琉依は雅と顔を合わせると、大笑いし始めた。
伊藤 雅
めぐみちゃん、馬鹿〜?ゆずはああ見えて天才肌なんだよー。多分、綾ちゃんが狙う個人部門と勝ち取るんじゃない?
如月 琉依
まぁ、柚稀のことを知らないくせに馬鹿にできる馬鹿はほっといて、さっさと仕事進めよ。
伊藤 雅
だね。
そう言って、2人で話しながらまた作業を再開した琉依と雅。


さらに煽られためぐみの顔は悔しさからか、真っ赤になっていた。
新村 有咲
桃香、桃香。
桐山 桃香
ん?
有咲が廊下で私を手招きする。
私は手を止め、廊下へ。
桐山 桃香
どうしたの?
新村 有咲
この文化祭が終わったらさ、雅ちゃんのこと見張ろ。
桐山 桃香
え、何で?
新村 有咲
何か元雅ちゃんと同じクラスの子から聞いたんだけど、何かね雅ちゃんは夜中まで居酒屋でアルバイトしてるらしいよ。
桐山 桃香
アルバイト?居酒屋で?
新村 有咲
うん。それが本当なら雅ちゃんを1軍から引きずり落とせる。
確かにそうだ。
未成年がそんな夜中までバイトするのは禁止されている。
桐山 桃香
いいよ、終わったらね。
新村 有咲
あと今さ。演劇側の人達がもめてるらしいから野次馬に混じって見に行こうよ。何か収穫あるかも。
桐山 桃香
うん。
有咲と音楽室に向かう。
すると、音楽室から……
峰本 沙月
サボってないでさっさと練習に参加しろよ!!!!!
空閑 柚稀
うっさいなぁ……。
沙月の怒鳴り声と柚稀の怠そうな声。
音楽室前には多くの野次馬が集まっている。
人混みを掻き分けて、中の様子が見ることが出来る先頭まで進む。
見えたのは、壁に寄りかかり座っている柚稀とその前で仁王立ちしている沙月の姿。
空閑 柚稀
もっと声の音量落として〜。
峰本 沙月
サボってるやつが何様だよ。
空閑 柚稀
サボってないんだけど〜…。
峰本 沙月
じゃあ何?劇練習をサボって、本読んでどこがサボりではないって言えるわけ?
空閑 柚稀
だって、銀河鉄道の夜を読んでカムパネルラの気持ちを探っているだけだし〜?それに…
峰本 沙月
それにって何だよ。
空閑 柚稀
…自分に合った役に立候補したならその技術を磨けば?
鼻で笑いながら発した柚稀の言葉。
それが普通の役なら何とも思わない。
だけど、沙月演じるザネリはいじめっ子。
いじめっ子ならいじめっ子の技術を磨け。
”自分に合った”という言葉を入れたことで、柚稀は盛大に沙月を煽った。
峰本 沙月
調子にノリやがって…っ…!!
空閑 柚稀
ノってないないで〜す。人に言う余裕があるならもう完璧なんだよね?主役も目立つような劇になるんだよね?
柚稀が嘲笑うように沙月を馬鹿にする。
沙月は既にキレて今にも手が出そうだ。
すると、綾が…
鈴木 綾
さ、沙月!もういいから、練習しよ?
峰本 沙月
………そう、だね。空閑のせいでクラス部門を逃したらその時だし。私は脇役だから個人部門を取るのは綾だしね。
沙月は最後に柚稀を睨みつけ、練習へ。
最初はイラつき気味に演じていたが、徐々に普通の調子に戻る。


柚稀はそんな沙月の威圧を全く気にすることなく、読書を再開する。読書をする柚稀の目からは涙が零れていた。
新村 有咲
……戻ろっか…。
桐山 桃香
だね…。
小声でそう言い合うと、後ろに下がり、私達は教室へと戻った。
一気に対立した1軍の沙月達と琉依達。
もしも文化祭が終わった後、雅を見張って、落とすことが成功すれば、沙月のグループに入ることが出来るかもしれない。
そう思うと、私は1軍が落ち、沙月が落るまでのワクワクが止まらなくなった……。