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第57話

入部届け
校内案内の途中、職員室に寄った私は夏休みの間に貰っていた入部届けに「女子バスケットボール部」と書いて、顧問に出した。
顧問は、雪村ゆきむら早苗さなえ先生。
30代いったかいってないかくらいの年齢に見える。
雪村先生
どうする?今日から出来るかな?道具が家なら明日からでもいいけど…
三室 弥生
持ってきたので、今日から練習に入れてください!
雪村先生
分かったわ。これからよろしくね。
三室 弥生
よろしくお願いします。
職員室のドアを閉めて、教室に向かっていると…
坂上 潤
まぁ、部活って言っても1週間しかないんだけどね。
三室 弥生
えっ?何で?
坂上 潤
来週から2年生は修学旅行だよ。
三室 弥生
3年だけじゃないの?
坂上 潤
この学校は2年生も行くんだよ!お母さんとかから聞いてない?
三室 弥生
聞いてない…
私のお母さんのことだ。
どうせ、サプライズとか言うに決まってる。
桃原 怜央
行先は沖縄で、3泊4日。まだ秋になったばかりだから沖縄だし、海も入れるらしい。
坂上 潤
それで修学旅行の翌週は、テスト期間で部活は2週間無いの。でも…
そう言葉を止めると、潤は苦笑いを浮かべた。
坂上 潤
私達バスケ部は、バスケ強化兼勉強合宿があるよ。赤点取ったら補習でその補習の日が大会の日だからさ。
桃原 怜央
バスケ部全員だから、弥生と転校生を入れると…50人前後くらいか?
三室 弥生
大変そうだね…。
立て続きにある行事を聞いて、私はただただそれしか言葉が浮かばなかった…。
















放課後になり、私は夏休みの間に親と一緒に買ったバスケ着やシューズを身に付けて、潤と体育館に向かった。


すると、少し心配そうな表情を私がしていたのか、潤が安心させるように…
坂上 潤
みんな優しいから、大丈夫!
と、声をかけてくれた。
三室 弥生
うん…。体育館の前に女子が多いけど何かあるの?
体育館の入口に女子が溜まっているのが見える。
私の質問に潤は苦笑いを浮かべた。
坂上 潤
あ〜…あれはほら、燎君とか倉科君とか、男バスの…
三室 弥生
ここにも来るんだ…
坂上 潤
もう慣れちゃったくらいだよ。
「失礼しま〜す」と溜まっている女子の間を通り、中へ入ると、真ん中にネットが張られ、女子と男子の場所が分かれていた。


2等分になっているが、思った以上に広い。
夕凪 沙羅
あ!潤〜!
同じクラスの何だっけ…夕凪さん?が来た。


パッと見、ド派手でどちらかというと、ギャルに近い雰囲気を持っている。
坂上 潤
沙羅。弥生、今日から入るから部長からも自己紹介お願い!
夕凪 沙羅
おっけ〜おっけ〜!女バス部長の夕凪ゆうなぎ沙羅さらだよ!困ったこととかあれば、気軽に聞いてね!
三室 弥生
うん。よろしく!
派手ではっちゃけてるかなとか思ったけど、意外と部活に気合い入れている子なんだ…。
2人から軽く説明を受け、全員が集まったところで私は改めて自己紹介をした。
みんな、受け入れてくれたようだ。
すると…
女子
キャ〜〜!!!!!
女子
今日も頑張ってください!!
黄色い歓声が入口から聞こえてくる。
夕凪 沙羅
あははっ、男バス様のご登場だね。
男バスの2年が体育館に入り、ネットの向こうへ。
あんな歓声が毎日は凄いなぁ…。
夕凪 沙羅
はい!向こうはいつも通りだから〜!ウチらも練習始めるよ〜!
女子
はい!
準備体操、アップ、基本練習を行い、ボールを使ってのドリブル、パス、シュート練習。
少し追いつけない部分もあったけど、初めてにしては、かなり近いような気がする。
3人組で筋トレやストレッチをしている最中、潤が誰かを見つけたようで
坂上 潤
あ、野崎先生だ。
三室 弥生
野崎先生?
坂上 潤
ほら、あそこの。
潤が指したのはおじいちゃんのような先生。
その横にはアンダーウェアの上にバスケ着を着て、野崎先生と話す柚稀の姿。
柚稀の手には資料や、ノート、筆箱など、いろんな物がある。
夕凪 沙羅
そう言えば、柚稀は男バスのマネで入部したんだっけ?
三室 弥生
そうみたい。でもさ、前まではマネージャー無しでやってたの?
坂上 潤
ううん。いたんだけど、マネージャーの知識量と技術量が足りなくて、辞めることになったんだ。
夕凪 沙羅
わざわざ男バスのマネになりにきたって少し驚いた。しかも、燎が自分からスカウトしにいったってとこも。
三室 弥生
へぇ…
ネットの向こうを見ると、柚稀が頭を下げて挨拶をしていた。


すると、野崎先生は柚稀に軽く頭を下げて、コート端のパイプ椅子に座る。
何か喋っているようだったから、耳を澄ませると…
空閑 柚稀
えっと、今日は明日からのために1回試合と、その後、全員私と1on1をお願いします。
男子
え?
男子
試合は分かるけどさ、1on1全員って柚稀ちゃんが相手するってことか?
空閑 柚稀
はい!実際にみんなと1on1した方が私自身、メニューを作りやすいので。
意味不明なことを言い出す柚稀。
強豪校として知られる千代瀬高校の男子バスケ部の全員と1on1をするって…
男子と女子とじゃ力の強さが違う。
そんなことを思っていると…
倉科 拓哉
…今回こそ、勝つからな。
燎 颯斗
ほんと。
空閑 柚稀
その意気でお願いしま〜す。
少し悔しそうな2人を見て、その場にいる誰もが、不思議そうな顔をしていた…。