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第145話

2学期 _ 行方 Ⅰ
空閑 柚稀
うん!じゃ、バイバ〜イ!!
夕凪ちゃんと三室ちゃんに筋トレのメニューを作って渡すと、私は荷物を持って学活を飛び出した。

役所に走りここら一帯の地図をもらってから、家に帰ると制服から着替えて地図を広げる。
空閑 柚稀
夜までに見つけないと……
多分。
多分だけど、楓は“色”が見えていない。

本人は隠してても、絵の具を使う時に異常に迷ったり見分けやすい白黒を好むあたりからして私の予想はあっていると思う。

となれば、夜は何も見えない状態になる。

どこかにいるなら夜までに見つけ出さないと誰かに襲われても防ぎようがない。
空閑 柚稀
楓が行きそうな場所は全部いないって言ってたし………
そこまで考えたところで、私はふと榎本のあの嫌がらせと不気味な笑みを思い出した。
もしかして、アイツ…下っ端を使って夜になっても拗ねて家に帰らなかった楓を攫ったとか?
空閑 柚稀
アイツならやりかねない、か…
……よしっ、予定変更。

片っ端からアイツの仲間の溜まり場を潰す。

その内、何か知ってる奴に出会える…はず。
空閑 柚稀
溜まり場知ってる奴と言えば…
スマホの電話帳をスクロールして名前を探す。

電話をかけると案の定、一瞬で出てくれた。
九鬼 玲苑
「どうした、柚稀。」
空閑 柚稀
あ、玲苑。榎本陸の下っ端がたむろしてる場所が何処かとか分かる?
九鬼 玲苑
「榎本?あぁ〜…アイツなら意外とあるな。えっと、場所は…」
玲苑が口にした場所をメモしていくと確かに想像以上の数で少し驚く。


かなり大変なことになりそうだ…
空閑 柚稀
分かった、ありがと。
九鬼 玲苑
「そんなことが知りたいなんてどうしたんだよ。」
空閑 柚稀
もしかしたらだけど、楓がそいつらに誘拐されたかもしれない。
九鬼 玲苑
「…なら、俺も探すの手伝おうか?」
空閑 柚稀
え、いいの?
九鬼 玲苑
「別に描くの今じゃなくてもいいし、友達が困ってるなら助けるのが普通だろ。しかも、その友達が琉依の親友なら尚更。」
空閑 柚稀
ありがとう…頼みたい。
九鬼 玲苑
「分かった、俺は何処から探して行けばいい?」
空閑 柚稀
近いから千代瀬からお願い。私は時間があるから出来る限り遠いところから探して行く。
九鬼 玲苑
「了解。何か分かったら電話する。」
空閑 柚稀
うん、本当にありがとう。
九鬼 玲苑
「気にすんな。」
スマホをしまい、私はメモをじっと見る。


今日行けるのは…20箇所くらいだね。

私に出来ること、しっかりとこなさないと…
空閑 柚稀
よし、行くか!
気合いの声を出し、鞄をかけて外に出る。

何があっても私の中には常に自分がいる。

ボロボロにされようともその信念は絶対に挫けるようなことはない。

だから、私は街中を駆け回った。


1箇所、2箇所、3箇所、4箇所……
























………20箇所。
空閑 柚稀
全部違うし〜…
寒い。

暗くなった空を見上げながらそんなことを思う。

結局、行く予定の場所を全て探し回ったが楓の居場所どころか手掛かりさえ掴めなかった。
九鬼 玲苑
柚稀。
空閑 柚稀
あ、玲苑!そっちはどう?
深夜の公園で待ち合わせていた玲苑を見つけ、私はベンチから立ち上がる。

だが、玲苑は首を横に振るだけだった…。
九鬼 玲苑
千代瀬周辺と他にも探したけど全く…
空閑 柚稀
マジかぁ…
九鬼 玲苑
もう強制的に居場所を吐かせた方が楽だと思うぞ、早く見つけたいなら。
空閑 柚稀
そりゃ、分かってるけど…
分かっている。

そして、暴力に任すのは良くないということも分かっている。
九鬼 玲苑
明日も探すか?
空閑 柚稀
勿論。しょうがないからそこら辺の奴らに吐かせることにするよ。
そう言って、帰ったが家に着く頃には時間は1時を回っていた。

半日走り回ったことで疲れきった私はシャワーだけ浴びるとそのままリビングのソファで寝落ちする。

次に起きたのは5時前。
空閑 柚稀
絶対に見つけてやる……ふぁぁ…
逆らえない眠気に襲われながらも私は友達の為と5時に家を出た。

家からかなり離れたところまで歩くと通勤、通学時間になったのか段々と人が多くなる。

駅前のファミレスで人の多さが落ち着くまで私は地図と睨めっこをしながら時間を潰していた。

気が付くとまぁまぁの時間が経っていて少しだけ焦りながら店を後にすると、昨日行けなかった場所に向かった。
男子
でさでさ…
男子
え、マジで?
男子
マジマジ!くっそうぜぇよなぁ。さっさと潰してやりてーよ。
学校をサボりたむろしているヤンキー共。

私は微笑み、歩み寄った。
空閑 柚稀
すいませ〜ん…
男子
あ?んだ、てめぇ。
男子
こっち来んな。
男子
失せろ。
餓鬼みたいな態度だな、こいつら…
空閑 柚稀
…………月城楓は何処。
名前に聞き覚えがあるのか表情が一瞬だけ固まる。

ビンゴ、こいつら楓の何かを知ってる。
空閑 柚稀
その反応は知ってるね、何処。早く教えてほしいんだけど。
男子
…知らねぇよ、そんな奴。
男子
ったく、変な誤解作んなっての。
男子
さっさとあのつまんねぇ学校にでも行っとけ、カスが。
空閑 柚稀
……。
男子
い"ったぁ!!!!
私の静かに振るった拳がヤンキーの内の1人の顔面にクリーンヒットする。

仲間が傷付けられたことでわらわらと周りの奴らが立ち上がって私を囲む。

そんな中私はクソジジイとの喧嘩を思い出し、気付けば鼻で笑いながら次の拳を構えていた。


人数は1対20人くらい、か…

まぁ、別にボロくなるだけで問題は無いだろう。
空閑 柚稀
さてと……覚悟はいいね?