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第106話

不穏な空気
火曜日、学校に行くと次の実行委員会のときにとか言っていた倉科君が気になったのか柚稀が来る前に声をかけてきた。
倉科 拓哉
なんて言ってた?
三室 弥生
あー、何か好きな人はいるっぽかったよ。誰までとは言わなかったけど。
倉科 拓哉
いるんだ…。
三室 弥生
その人に自分が頑張ってるのを褒めてくれるのが嬉しいんだって。
倉科 拓哉
へぇ、柚稀って出来て当たり前だから誰も褒めないしな。
三室 弥生
多分、そうだろうねぇ。
倉科 拓哉
俺から見ると、いつも頑張ってるように見えるけど…
三室 弥生
それ、褒めてる?
倉科 拓哉
基本的には。
三室 弥生
おっ、ならもしかしたら?
空閑 柚稀
何の話してるの?
倉科 拓哉
…お前、いつからいた。
空閑 柚稀
今来たところだけど?
八代 琉希
拓哉と弥生って何だか不思議な組み合わせだな。
空閑 柚稀
言われてみたら!なになに?2人ってどんな話するの?
倉科 拓哉
えー、実行委員について。な?
三室 弥生
そうだよ!実行委員の仕事めんどくさかったからやめたら良かったーって話してたの!
空閑 柚稀
確かに大変そうだもんね。
倉科 拓哉
永遠にハサミ動かすから。
八代 琉希
ダルっ!…あ、拓哉。
倉科 拓哉
ん?
八代 琉希
今日、柚稀と来る途中に颯斗と楓を見たんだけどさ、凄い不穏な空気だったんだ。何か知ってる?
倉科 拓哉
え、アイツらが?
空閑 柚稀
そー。無言で少し距離置いちゃって、いつもなら喋りながら歩いてるのに。
私の席の周りでそんな会話が続いて数分後、燎君が教室に到着しその後ろからついてくるように楓が到着した。
燎君はこっちに来たが、楓は自分の席へ。
燎 颯斗
おはよ〜…
倉科 拓哉
お前、楓と喧嘩したのか?
燎 颯斗
い、いや、そういうことじゃないけどちょっと…
単刀直入に聞いた倉科君に燎君は言葉を濁らしてボソボソと何かを言う。
空閑 柚稀
…そういうのダルい。
燎 颯斗
まぁ…昨日、変な奴らに俺が襲われたんだよ。それで楓がそいつらボッコボコにしたんだけど、病院送りになっちゃってさ…。もうちょっと暴力的なのじゃないの無理かって話になって意見の違いでもめて…
倉科 拓哉
で、拗ねたと。
三室 弥生
何か口もきいてくれなそう。
燎 颯斗
ほんと、三室ちゃんの言う通り。
八代 琉希
颯斗、正義感が強過ぎんだよ。少しは曲げないともめる元になるぞ?
燎 颯斗
分かってるし…
そのとき、私はこの話を凌久が盗み聞きしていたなんて知らなかった。
そして、聞いてたとしてそれを利用して八つ当たりをしようとしてるとも思わなかった…。















月城 楓
痛っ!
突然、結んであった楓の髪が下ろされる。
後ろには長い金の髪が何本か絡んでいる髪ゴムを持っている凌久が立っていた。
月城 楓
榎本、何の用だ。
榎本 凌久
別に?何かウザかったから。
月城 楓
はぁ?
榎本 凌久
よっと。
凌久が蹴った椅子は大きな音を立てて倒れ、座っていた楓も慌てて立ったが、少しよろけた。
間を与えず、顔面を狙った凌久の強い拳は楓が掴んで止める。
月城 楓
てめぇ、どういうつもりだ。
榎本 凌久
だから、うざいだけだって。
眉間にシワが寄ったと思うと、楓が凌久の顔面めがけて拳を繰り出したが、ハッとした表情になると、当たるすんでのところで止めた。
月城 楓
……。
榎本 凌久
どうした?殴れば?
月城 楓
……あ"ぁ!!マジ、ムカつく!!!
そう言い、教室にいる全員に聞こえるくらいの大きさの舌打ちをすると、荷物をまとめ始めた楓。
燎 颯斗
ちょっ、楓!
月城 楓
うるせぇ!!帰る!!!昨日からイラつきっぱなしで勉強もろくに頭に入んねぇよ!今日は1人で家まで帰れ!!
リュックを背負い、机の上に置かれていたスマホを乱暴に取ると、教室からいなくなった。
空閑 柚稀
……。
追いかけようかと足を一瞬だけ廊下に向けた燎君が立ち止まり、柚稀は視線を下に落とす。
柚稀、何で動かないんだろ…あ、下手に動いたら凌久に弱味を言われる可能性があるのか。
嫌がらせをするだけして楓を帰らした凌久がニタリと気味の悪い笑みを浮かべる。
その笑みにはこの先にまだ続きがあると、言ってるようにも見えた…。