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第98話

脅し合い
榎本 凌久
なぁ、空閑。
昼休み、みんなが学食に行ったりお弁当を食べ始めた時にドスの効いた声が教室に響く。
空閑 柚稀
何。
榎本 凌久
お前さ…
凌久が柚稀を嗤うようにニヤニヤしながら、肩に手を置き、何かを言った。


凌久の一言目、サッと柚稀の顔が青ざめる。
凌久の二言目、キッと柚稀が凌久を睨みつける。
空閑 柚稀
今の発言…撤回してくれないかな?
榎本 凌久
まぁ、怒るなって。
凌久がケラケラと笑う。
柚稀は細く溜息をつくと、椅子を手にした。
空閑 柚稀
もう1度だけ言う、撤回して。
榎本 凌久
い、や、だ。
空閑 柚稀
なら…1回病院に行こっか。
いつもの笑顔で笑った柚稀がそのまま椅子を掴むと振り上げ、凌久に向かって振り下ろした。
椅子は凌久の肩に当たるが、本人は少し揺れただけで大きなダメージでは無さそうだ。
榎本 凌久
いって…危ねーだろ。
椅子を取り上げ床に投げ、柚稀を睨みつける。
教室が険悪な雰囲気に包まれる中、凌久にもう一撃加えようとする柚稀の腕を燎君が掴んだ。
燎 颯斗
柚稀…やめなよ…。
空閑 柚稀
だって〜…お母さんのこと悪く言われるのは凄い嫌だし?あとこんなクズに絶対彼は負けやしない。負けるのはこーいーつ。
燎君の手を払い、柚稀が凌久に向かって嘲笑う。
凌久はどんどん機嫌が悪くなっていくのが見えて、今度は凌久が椅子を掴んだ。
榎本 凌久
黙ってりゃ、俺のことを何でもかんでもいいやがって!!!
凌久が椅子を振りさげると、柚稀の頭に直撃。
柚稀は2回目の攻撃を受ける前に椅子を蹴り飛ばした。大きな音を立てて床に転がる。
柚稀は倒れることは無かったが、頭から血が流れ出してしまった。


そして、椅子の転がる音の大きさが他クラスの人も寄せつけた。
女子
何、今の音〜
男子
うわっ、榎本怒ってんじゃん…
男子
おっ!流行り中の空閑だ!
女子
でも、何か怒ってない…?
空閑 柚稀
危ないじゃん。
榎本 凌久
うるせぇ。さっさと死ね!!!
筆箱からカッターを取り出すと、柚稀の腕に思いっきり突き刺した。
引き抜いた瞬間、柚稀の腕から血が舞う。
女子
ちょっとヤバくない?
男子
だ、誰か止めろよ。
男子
はぁ!?お前がいけよ!
月城 楓
どいつもこいつも根性無しかよ…。
溜息をついた楓が2人の間に入ると、凌久のみぞおちを殴りつけた。
小さな呻き声が聞こえ、後ろによろけた凌久だったが、動きは止まらず血走った目で楓を睨む。
空閑 柚稀
あぁ〜、楓!危ない危ない。
楓に振り下ろされるカッターを手で掴むと、今度は柚稀が凌久の肩に手を置き、何かを言った。
その瞬間、凌久の顔色が悪くなる。
榎本 凌久
お前、何処でそれを…
空閑 柚稀
まぁまぁ、これはお前から私のへの脅しでお前は私を脅し。さっきのことをみんなに広めたら今のことを言うし、私が今のことを広めればさっき言ったことをみんなに言えばいい。
正気に戻ったのか、凌久が「ああ、そうだな。」と言うとカッターを仕舞う。
榎本 凌久
それが互いに得だ。じゃ、さっきの言葉は撤回する。悪かったな。
空閑 柚稀
撤回してくれるならいいよー
廊下から見ていた生徒が呼んだのか先生が来ると、椅子で攻撃した柚稀とカッターで刺した凌久はそのまま呼び出され、その後は2人とも反省文を書かされていた。
倉科 拓哉
お前ら、ちゃんと書けよ…。
坂上 潤
これでOK出したら、私達が先生に怒られちゃうよ〜…
三室 弥生
何で怒られるの?
夕凪 沙羅
あ、知らなかった?千代瀬はねー、こういう反省文になると学級委員が読んでOK出して初めて先生に出せるって感じ。
三室 弥生
え、倉科君、学級委員?
夕凪 沙羅
部活優先にして委員会サボるから、いつも代わりに楓ちゃんが行ってるの。
じゃあ、委員会に入ってるのは楓だと思ってたけど実際は楓じゃなくて倉科君だったんだ…。
夕凪 沙羅
にしても、凌久も柚稀ちゃんも傑作過ぎない?
沙羅が笑いながら2人の反省文を見る。
「えー、この度は椅子で榎本を殴ってしまい誠に申し訳ありませんでしたー(笑)ですが、私の意見としてはこれは私と榎本で起きた問題であるのでー、反省文を学校に出す必要はないんじゃないかと少し疑問に思いますねー。書いて反省するならこの世の中、みんな偉い子しかいませんよー。」

「空閑を椅子で殴ったりカッターで刺したりしてすいませんでした。てか、空閑と話して解決出来てもう終わった話だしわざわざ反省文を書くようなことでもなくね?紙とシャー芯と書くためだけに使う人生の時間の無駄使いだろ。これ書く時間、早く帰ってゲームしたい。」
倉科 拓哉
柚稀、何だよこの「(笑)」って…
空閑 柚稀
だって、悪くないもん。
坂上 潤
榎本君も1番最後の文…
榎本 凌久
ダルいからしょーがねぇだろ。
倉科 拓哉
坂上…、この反省文どうする…
坂上 潤
反省してない人に反省文書かせてもこうなるのは予想出来るからねぇ…
倉科 拓哉
もうこれでOK出すか?
坂上 潤
私も早く帰りたいし、そうしよ…。
2人の書いた反省文を見て、深い溜息を零す倉科君と潤だったが、本人達はどうでもよさそうにしていて、何処か2人が可哀想にも見えた…。