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第114話

学園祭 1日目-2
夕凪 沙羅
どこ行く〜?
三室 弥生
う〜ん…あ!外の絵見に行ってみる?この時間だと他のお店も閉まり始めてることだと思うし!
夕凪 沙羅
いいね!
休憩の生徒が多くなる前にと早足で外へ。
人が多くいるところにいると、壁に屋上から下がる紐を腰に結んで校舎の壁に絵を描いている九鬼君の姿が見えた。
夕凪 沙羅
うわっ、あんな高いところで…
三室 弥生
てか、凄い描くの上手くない?
夕凪 沙羅
そりゃ、九鬼君だし!
その下では柚稀が高坂さん達に捕まって、トークをしていた。
周りには沢山の人がカメラで有名人揃いの場所を撮影している。
高坂 隼樹
午後も絵を描くの?
空閑 柚稀
いえいえ!午後はですね〜まだ一般の方には伝わってないんですけど…
コソコソと周りに聞こえないように喋るところが取材慣れしている感じがする。
三室 弥生
……あれ?今思えば、徹は?
夕凪 沙羅
あ!言われてみれば、いない!
三室 弥生
ずっと、いないよね?
夕凪 沙羅
朝から見てないね〜、連絡は?
三室 弥生
無し。
夕凪 沙羅
あと楓ちゃんも最初の30分くらいでいなくなったよね?
三室 弥生
あ〜、確かに。
あの二人の共通点と言えば、先週柚稀に連れて行かれたことくらいだ。
多分、柚稀の言う"午後"に関係あるのだろう。
夕凪 沙羅
あ、こんにちは!
三室 弥生
ん?
沙羅がいきなり挨拶をしたので、顔を上げるとそこには雅と雪奈がいた。
伊藤 雅
おっ!部長さんと弥生ちゃ〜ん!
広瀬 雪奈
えっ、嘘〜!?も…弥生!久しぶり!元気にしてた?
三室 弥生
ひ、久しぶり!!
今一瞬、桃香って言いかけたよね…
久しぶりに雪奈と会った…。
そう言えば、雅と雪奈は前の学校で元から仲が良かったんだっけ…。
過去の記憶が巡り、私は少し懐かしく感じた。
広瀬 雪奈
弥生のメイド見ようと思ったのに、もう閉まっててさ〜
三室 弥生
いや、来なくていいよ!?
広瀬 雪奈
あははっ、冗談冗談!本当は雅が行くって言ってたからついてきただけ!
三室 弥生
良かった…
夕凪 沙羅
弥生の前の学校の友達?
三室 弥生
うん。
夕凪 沙羅
何か明るそうでいいね!
広瀬 雪奈
私、元気が取り柄なんで!!
夕凪 沙羅
おぉ〜!
そこから沙羅と雪奈が気があったのか立ち話を始めてしまった。すると、暇だったのか雅が…
伊藤 雅
ねぇ、共学ってどんな感じ?
三室 弥生
最初は学校に行くと、男子がいるっていうのが凄い不自然だった。雅は?
伊藤 雅
私は〜…学校辞めてるんで!
三室 弥生
あ!そうだった!Infinity劇団で働いてるんだったね。
伊藤 雅
そーそー!今日もその用事で来たんだけどね〜
三室 弥生
Infinity劇団の用事?
伊藤 雅
柚稀と悠翔君。午後からそこの特設ステージでライブするんだって。柚稀は自分で化粧出来ないからさ。
ライブ…
三室 弥生
え、待って。沙羅!徹って何か楽器とか出来たりする?
夕凪 沙羅
徹?…あ、確か元軽音部でギタリストだよ。一番上手かったって校内でも有名だった!何かメンバーともめて退部したって。
三室 弥生
2人がいない理由はそれか!
夕凪 沙羅
何が?
三室 弥生
何かこれから柚稀達がライブやるらしいんだけど、多分徹がギターで楓ちゃんがキーボード!
夕凪 沙羅
じゃあ、今はリハってことかな?
三室 弥生
多分!あぁ、スッキリした〜…
伊藤 雅
柚稀曰く、「最後に期待!」って言ってたなぁ。
広瀬 雪奈
雅!お腹空いた!クレープ行こ!
伊藤 雅
うん!じゃ、頑張ってね〜!
三室 弥生
ありがと〜!
夕凪 沙羅
バイバイ!
雪奈達と別れ、ステージ近くを通っていると徹が正面から歩いて来た。
三室 弥生
徹!
篠田 徹
おっ、2人とも。
夕凪 沙羅
ライブするんだって?
篠田 徹
ほぼ強制的にな。
三室 弥生
頑張ってよ!応援してる!!
そう言うと、徹の頬が少しだけ赤くなったような気がした。
夕凪 沙羅
照れてんの?
篠田 徹
は!?照れてない!
漣 悠翔
ちょっ、徹先輩。早くしてください。楓さんがお腹空いたってフードエリア行ったからキーボード運ばないと…
後ろから走ってきた着替えた悠翔君が徹の肩をぽんと叩きながら、焦ったように言う。
篠田 徹
優雅に昼飯とか…空閑は?
漣 悠翔
姉さんは着替えてるのでフードエリアに行かなければスグに来ます。
夕凪 沙羅
行くっしょ。
三室 弥生
楓ちゃんと食べながら会場来そう。
夕凪 沙羅
あ〜、分かる。
漣 悠翔
ですよね…。
とか何とか言っていると、本当にフードエリア方面から大量の袋をぶら下げる柚稀と楓が来た。
柚稀はあまり変わらないが、楓は風月モードだ。
こっちに気付いた瞬間、悠翔君と徹が文句を言いながら2人をステージへと連れて行ってしまった。















午後の部。
人がさらに多くなると思っていたが、そこまで多くはならなかった。何故なら…
坂上 潤
ライブ、盛り上がってるね!
三室 弥生
ボーカルが柚稀ちゃんなら女声男声自由だからジャンルが広いっしょ。
坂上 潤
あ、これって柚稀ちゃんの声なんだ?
三室 弥生
多分だけど、あのメンバーでこんなに声が変わるのは柚稀ちゃん。
坂上 潤
そっか〜
こりゃ、明日は声出ないんだろうなぁ…
「最後までありがとうございましたー!!」
ライブ終了の声が聞こえたのは夜7時。
外は真っ暗なのに会場の熱気は収まらない。
暗くなった会場には観客のアンコールの声がずっと響いていた。
夕凪 沙羅
潤!弥生!行くよ!
三室 弥生
え、何処に!?
夕凪 沙羅
アンコール曲を聞きに行くに決まってるっしょ!
坂上 潤
行きたい!!
沙羅が私と潤の手を取り、走り出す。
辿り着いたのは屋上でステージ上まで見えた。
漣 悠翔
『沢山のアンコールの声をありがとうございます。』
ちょうど始まった暗い会場に響く声。
空閑 柚稀
『本当は6時までの学園祭を校長先生に頭を下げて1時間延ばしてもらったんですよ。』
漣 悠翔
『ほんと凄い怖かったです。』
三室 弥生
すっごい素直な感想。
坂上 潤
1時間延ばせ、は怒られるもん。
空閑 柚稀
『そこまでしてやりたかったこと!皆様、上を見てください!』
柚稀の声と同時に学校全ての照明が落とされた。
三室 弥生
綺麗…
上にあったのは無限に広がる星空だった。
漣 悠翔
『星空、漣悠翔、空閑柚稀。この3つから連想されるのは何でしょう?』
空閑 柚稀
『はい!せーのっ!』
夕凪 沙羅
銀河鉄道の夜〜!!!!
坂上 潤
わっ!!
三室 弥生
ちょっ、沙羅!いきなり大声はキツいって…
夕凪 沙羅
ごめんごめん!
暗くても沙羅の目が輝いているのは分かった。
これから起こることを楽しみにしているんだ。
満場一致の答えに「ピンポーン」と言うと、ステージ上にスポットライトが2人の人物を照らしだし、会場から歓声が上がった。
それはInfinity劇団で使った衣装を着てギターを持つジョバンニの悠翔君とカムパネルラの柚稀。
漣 悠翔
「アンコール曲は僕ジョバンニと」
空閑 柚稀
「カムパネルラで歌います。」
あの劇と全く同じ声色に変わった役者2人に会場の熱気が高まる。
空閑 柚稀
「作詞漣悠翔、作曲空閑柚稀で皆様に届けます。」
漣 悠翔
「銀河の旅」
学校敷地内で唯一光るスポットライトがジョバンニとカムパネルラを照らす。
あとは空に光る星達の光だけ。
2人が作った曲は1番がゆったりとした鉄道の走り始めで、2番が勢いのついたテンポのいい曲だった。
三室 弥生
……。
何でそんなに輝いてるの…。
みんながあの2人に惹かれる中、私は1人でそんなことを思いながらフェンスを握る手に力を込める。
最近になって私は気付いてしまった。
人の幸福を素直に喜べなくなってることに。
人の不幸は蜜の味だと思うようになってることに。
ステージ上に立って輝く2人が何か嫌だ。
決して私が立ちたいわけではない。
でも、どうしても、輝いて欲しくない。
…特に全ての才能に恵まれている柚稀には。
それが妬み?嫉み?そんなの分かってる。
分かった末で嫌。
早くどうにかしないと……
ストレスで、ストレスで、ほんと堪らない……