第33話

密告
5,590
2019/01/04 12:53
あのあと、有咲は帰宅部から脱出して、バレー部に入部していた。
どうせ、クラスの中で自分のカーストをあげたいの一心で入ったんだろう。
中学時代に経験があったのか前に見た時、2年目のバレー部の練習にもついていけてた。
桐山 桃香
……どうしよっかな。
峰本 沙月
何が?
広瀬 雪奈
ん?なになに〜?
私の独り言が聞こえた沙月と雪奈が声をかける。
桐山 桃香
あのね、新村いるじゃん?
峰本 沙月
あぁ、アイツね。
桐山 桃香
ムカつくから何か出来ないかなって。
広瀬 雪奈
何それ、楽しそうじゃん〜!私も一緒にやりた〜い!
桐山 桃香
おっ、やる?
広瀬 雪奈
うん!沙月もやろーよ!
峰本 沙月
え、私も?まぁ…いいよ。
広瀬 雪奈
どんな内容がいいかなぁ…
桐山 桃香
まずね、沙月ちゃんに見せたいものがあるんだけど…
峰本 沙月
ん?
桐山 桃香
前に忘れ物して戻ってきたときので…
そして、私はあの時の動画を沙月と雪奈に見せた。
『…峰本、ふざけんな!!!!!』
『何がいい情報をありがとだよ!あれは麗美じゃなくて、ウチが日頃から思ってることだし!!バーカ!!!読者モデルとかで調子に乗ってんのはテメーだ!マジでウゼーんだよ!!!』
そう言いながら、沙月の机を蹴り飛ばしている有咲が映っている。
広瀬 雪奈
わぁ〜!凄い荒れっぷりでウケる〜!
桐山 桃香
でも、酷すぎるよね〜…
横目で沙月を見ると、眉間にしわがよって、両手を爪が食い込む程握りしめていた。
峰本 沙月
アイツ…ナメやがって…っ!!
これはこれは…ガチギレかな?
知らない間に机まで蹴り倒されてるもんねぇ…
心の中でそう笑う。
桐山 桃香
これを見たら、やっぱ相応の…いや、これ以上の苦痛を与えないと。
広瀬 雪奈
そうだね〜!どんなのが面白くて新村ちゃんが傷付くかなぁ〜!
峰本 沙月
……まず、タバコは言う。
広瀬 雪奈
あとは?
桐山 桃香
同じように机を蹴り倒してあげたら?自分がやられてもいいから人にすることが出来るんだもんね?
そうされて当然だ。
元から信用はしてないけど、先に裏切ったのは有咲なんだから、私は悪くない。
そもそも、証拠になるような発言をしたのが問題。
私ならもっと上手くやる。
一応、裏切り者なんだから、制裁を。
机を蹴り倒すだけじゃいけない。
教科書とか体育着をゴミ箱に捨てて、机にも大きな文字で「死ね」って書いてやろう。
別に根暗でも平凡人間って言われてもいい。
ただ…
『てか、何かいじめられっ子的なオーラが半端ないんだよね。』
自分に言いかける。
新村は絶対に許さない、って。
桐山 桃香
私にいい考えがあるよ!
私は笑顔でそう二人に言った。

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