私の時代がやってきて、2日目。
沙羅はみんなから見捨てられていたが、倉科君を後ろ盾にすることで何とかいじめは受けずにいた。
だが、他クラスにもこの状況は伝わっていて、みんなが冷たい目で沙羅を見ている。
私の周りには沙羅が消えた代わりに2軍の女子がよく来るようになっていた。
すると、教室の扉が勢い良く開かれる。
ガチ切れして、熱でぶっ倒れて4日ほど休んでいた柚稀は楓が引くほどテンションが異常だった。
すると、ニヤリと笑った颯斗が…
手まで猫の形を真似して、ウインクをしながらノリノリでやった壊れた柚稀。
それを見た燎君はお腹を抱えて笑い転げ、倉科君はそっと後ろを向いた。
倉科先生よりいつも早めに教室に来る井上先生が入口で壊れた柚稀を見てそう言った。
先生を無視して、いきなりこっちに来たかと思うと柚稀が思いっきり私に抱きついてきた。
すると、小声で…
私が返事をしようとしたときにはもう柚稀は離れていて、入ってきた倉科先生に挨拶に行ってた。
あぁ、そうだった…柚稀は前の学校が同じだったから私の下剋上教室のことも知ってるのか…。
それにしても、まだ柚稀と倉科君が連絡を取り合ってるんなんて思ってもいなかった。
学校で仲悪いように見せてるってだけか…
私は誰にも聞こえないように小さく呟く。
これで平和になるならなるで私の目的に支障はきたさないから問題無いし。
てか、そもそも私自身があまり調子に乗らなかったらいいだけだもんね。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。