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第20話

報告
朝、登校していると教室の方が少し騒がしい。
桐山 桃香
何だろ…
教室を覗くと、真ん中に人が溜まっていた。
見ると、その中心には有咲の姿。
有咲の横には沙月達がいて、有咲のスマホを覗いている。
まさかと思い、近くの子に…
桐山 桃香
何か騒がしいけど、どうしたの?
女子
何かね、雅ちゃんが10時とかの夜遅くまで働いてるのを見たって有咲ちゃんが言ってるの。
自分一人の手柄にしようとしてる…。
私はいつもどちらかと言うと、遅い方に登校する。
だから、毎朝、教室に行くと有咲は既にいた。
私がいないことを良いことに一人で、ねぇ…。
……そんなの絶対、許さない。
桐山 桃香
あ!私も一緒に見たよ!!
教室中に聞こえるような大声で言うと、周りの女子をかき分けて、有咲達のところへと出る。
広瀬 雪奈
ん?桐山ちゃんも見たの〜?
峰本 沙月
話を聞いた感じだと新村の1人だけって感じだったけど。
桐山 桃香
えー?私もいたよね?有咲。
笑顔を向けると、有咲が一瞬固まる。
でもスグに着心地のない笑顔で…
新村 有咲
そ、そうそう!言い忘れちゃった!
桐山 桃香
他にも証拠写真あるけど、見る?
峰本 沙月
うん。早く見せてよ。
桐山 桃香
えっとね〜…
そう言われ、酔っ払いのサラリーマンを外に連れて行く写真、店内で働く写真を沙月に見せる。
すると、沙月に笑みが浮かんだ。
峰本 沙月
へぇ…やるじゃん。連絡教えるから、私にもその写真、送ってよ。
沙月がブレザーからスマホを取り出す。
桐山 桃香
もちろん!
沙月とメアド交換をして、私は持っていた証拠写真を全て送る。
手柄を取られて悔しそうな有咲を私は横目で心の中で笑いながら見ていた…。
〜昼休み〜
峰本 沙月
伊藤。
伊藤 雅
何。
峰本 沙月
こっちが聞きたいんだけど、これ何?
沙月が証拠写真を表示させたスマホの画面を、雅に見せつける。
写真を見た雅の顔色は明らかに変化した。
今は琉依と柚稀がお弁当食べる前に手を洗いに行っている。守ってくれる人は…いない。
伊藤 雅
……。
峰本 沙月
何で黙ってるの?もし、違うなら早く反論でもしなよ。まぁ、この居酒屋に確認すれば伊藤が働いてるかは一瞬で分かることだけど…。
伊藤 雅
……それはやめて…。
峰本 沙月
え?聞こえないけど?
雅の眉がピクリと動く。
しかし、物凄く悔しそうな表情で……
伊藤 雅
お店に問い合わせるのは…やめて、ください…。…お願いします……。
頭を下げ、謝る雅。
峰本 沙月
詳しく教えてもらおうか。







雅が話すには、雅の家はお金が少なく貧乏らしい。
そのため、学校に行くのが難しくなるから、自分で教育費をバイト代で支払っていたらしい。
あの居酒屋の店長はそんな雅を可哀想に思い、本当は法律で禁止されているが雇ったらしい。
だから、店に問い合わせ沙月が警察に言えば、あの居酒屋は潰れる。


そのことを雅は知っているんだ。
学校に来るため、あの居酒屋に迷惑をかけないために今、雅は沙月の前で土下座をさせられていた。
峰本 沙月
元からそうやってウチらに従えれば、良かったんだよ。
伊藤 雅
っ…
本当に悔しいのか雅の目は真っ赤になり、目から涙が零れている。
沙月が上履きで雅の頭を踏みつけると、その頭に唾を飛ばした。
峰本 沙月
伊藤。これからは波風立てないように過ごせ。そうしないと、バイトの件を全部学校にも警察にも言うから。
伊藤 雅
……は、い…。
峰本 沙月
じゃ、さっさと戻って。
雅に背を向け、沙月は自席に戻る。
雪奈は沙月に何か言いたげな表情をしていたが、黙っていた。


雅は無言で立ち上がると、袖で頭に付いた唾を拭い汚れを払った。
如月 琉依
雅、ただいま。
空閑 柚稀
ただいまー…って、みや?どうした?
え、何で泣いてるの?
伊藤 雅
……目にゴミが入っただけだよ。
空閑 柚稀
そう…。
次の日から雅の行動は小さくなった。
何も知らない琉依と柚稀は毎回、不思議そうな顔。
その日から雅は3軍へと落ちた…。