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第99話

細い溜息の裏
三室 弥生
どうしよっかなぁ…。
部屋でノートを開きシャーペンを手にした私は次は誰を標的にしようかと考えていた。
気付けばもう11月。
目標達成にはあと2ヶ月しかない。
細い溜息をつきながら、今のトップ周辺の状態を簡単にノートにまとめてみた。
〈トップ〉
凌久
暴力団総長。
何股もかけてるが、まだ秘密がある?
柚稀と対立関係、柚稀が何かを知っている。

〈1軍〉
沙羅
普通にバスケ命人間。
意外と人をバカにしたりもする。


私の彼氏。
いつも冷静で結構頼れる。
優しさもあり、ほぼ裏がある可能性は0。

倉科君
冷たいことが多く、それを気にしている。
好きな物を馬鹿にされると怒りが湧く。
柚稀に好意を寄せてる。

燎君
燎組若頭、常にいじめ反対の強い正義感を持つ。
凌久のことを嫌い、楓を気にかけている。


天才ピアニスト"木城風月"、燎君の護衛係。
他にも秘密がある香り。

柚稀
母親が大好き、友達想いだが少し考えが読めない。
凌久と対立関係、凌久が何かを知っている。

〈???〉
琉希
沙月殺しの犯人、"黒崎錬"最有力候補。
何故か柚稀を気にかけている。
三室 弥生
こんなところかな。…ん?
よくよく考えたら、何で燎君は楓のことをあんなに気にかけているんだろ?
正直、別に守られるだけだからそんなに気にする必要もない気がする。
調べてみるか……
次の日、学校に行くと既に燎君と楓は来ていて、燎君は他の男子と喋り楓はいつものように窓の外をじっと見ていた。


そして、楓が呆れたように細い溜息を零す。
それもいつも通りだった。
いつも楓は外を見ては溜息を零す、その繰り返し。
三室 弥生
楓ちゃん。
月城 楓
ん?
三室 弥生
何かいつも外見てるよね。理由とかあるの?少し気になっちゃって!
月城 楓
理由、ねぇ…
そう呟き楓は悩むように腕を組みながら、椅子の背もたれに身を任す。
その間に楓の持ち物を確認するが、白と黒の物が凄い多いことに気が付いた。
楓の中で色があるのは髪の金くらい。
月城 楓
まぁ、そうだな。外見てると、いつも雲の形が違うのが面白いから。例えば今見えるあれは鯨みたい。
窓の外を指し、私の視線も自然と指した方へ。
そこには確かに鯨のような形をしている、けど…
三室 弥生
それ雲じゃなくて煙じゃない?ほら、あそこの温泉の煙突から出てる。
月城 楓
……ホントだ、全然雲じゃないし…
楓が温泉の煙突と煙を見比べてそう呟く。
その様子は何処か違和感を感じるものであった。
三室 弥生
でも、鯨には見えるね。
月城 楓
うん。
筆箱から筆記用具を出すと、飛んでいた小鳥が引き寄せられるように私の目の前の窓枠に乗る。
すると、楓は鳥を見ながらデッサンを始めた。
月城 楓
颯斗の護衛係って言っても、そんな束縛とかは嫌だからな。基本は別行動。でも、いつも視界に入る場所にはいるって感じ。…となると、暇な時間が増えるから趣味で色々やってるんだ。
三室 弥生
じゃあ、ピアノも?
月城 楓
そうそう。ピアノも絵も空いてる時間とかによくやる。
そう言って、楓は1つのファイルをリュックから取り出すと私に見せてくれた。
ファイルに挟まれていたのは、楓が描いたと思われる鉛筆デッサンの数々。
どれも今すぐにでも動き出しそうなくらいそっくりで綺麗なモノクロで描かれている。
月城 楓
でも、色を塗るの下手できっと良い物もダメになるから基本は鉛筆デッサンだけ。
描いていた鳥のデッサンを私に渡す。
その絵も凄い上手で窓枠の小鳥と瓜二つ。
月城 楓
見終わったらファイル、机の上に置いといて。
三室 弥生
うん!
私は他のも見てからファイルに戻すと、ファイルを楓の机の上に置き、ちょうど来た沙羅達の元に向かった。