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第126話

夕方に光る棘
全ての競技が終わり、空は既にオレンジ色。
教室に椅子を持って行き、昇降口前でみんなが打ち上げ会をしようと盛り上がっているときだった。
三室 弥生
あれ、琉依ちゃん?
如月 琉依
三室か、お疲れ。ところで楪千棘はどいつだ?
三室 弥生
千棘?それだったらもうすぐ…
琉依の口から出てきた千棘の名前に少し驚く。
千棘は今、凌久から見捨てられたことにより、地位こそ下がったものの3軍〜5軍の子と仲良くやっている印象が強かった。
誰かが噂で父親の会社を継ぐために頑張って礼儀作法や経営の勉強を始めたとか。


今思えば、千棘って前より性格良くなったな…。


昔の千棘は我儘女王様…今の沙羅のような感じだったけど、下がってからは媚びを売るのではなく普通に人に優しくなった。
だからこそ、5軍には下がったけどぼっちにはならずに千棘のことを見直した人が一緒にいるんだ。
女子
ねぇ、千棘も行く?
楪 千棘
私が行って大丈夫かな…
女子
あ、な〜に?また榎本君のこと気にしてるの?
楪 千棘
まぁ…うん…
女子
大丈夫だって!榎本君って柚稀ちゃんと対立してるからいざとなればそっちにつけば何とかなる!
女子
それに千棘は前に比べたらすーっごい良い子になったんだから、行く権利だってあるに決まってるよ。
楪 千棘
ほんとごめんね…
女子
いいっていいって〜。和解できたんだから絡めるんじゃん?
楪 千棘
…ありがとう。
めっちゃ大人しくなってるし。
前のあの凌久の彼女時代の千棘は何処に…
如月 琉依
あいつ?
三室 弥生
うん。千棘ー
私が呼ぶとこっちに寄ってきた千棘が琉依を見ると軽く首を傾げた。
楪 千棘
学園祭で警備員してくれてた人?
三室 弥生
何か千棘に用事って。
如月 琉依
如月って言います。
楪 千棘
何の用事ですか?
如月 琉依
ちょっと頼みたいことっていうか、お誘いで…
楪 千棘
お誘い?
琉依が千棘の腕を引いて少し遠くへ。
それからさらにこそこそ話のように千棘の耳元に口を寄せて何か話している。


すると、千棘の目がパァーっと輝き久しぶりに見る良い笑顔が浮かんだ。
楪 千棘
え、本当に!?
如月 琉依
まぁ、はい。で、私そう言うのに敏感じゃないんで出来たらもっとそっち方面が分かる人が行った方がいいのかなって。
楪 千棘
その子がいいならぜひ行きたい!
如月 琉依
なら、連絡先渡しときます。
琉依がそう言って、スマホを取り出して千棘と連絡先の交換をしている。
交換が終わると、琉依は正門を出て行きご機嫌な千棘がいつメンの元に戻った。
三室 弥生
何だったんだろ…
篠田 徹
何が?
三室 弥生
いや、久しぶりに千棘が凄い満面の笑みを浮かべてたからさ。
篠田 徹
へぇ…ご機嫌が一番だから別に理由なんていいんじゃないか?
三室 弥生
まぁ、そうだね。そう言えばさ、徹が出演するって言ってた映画はいつ撮影するの?
篠田 徹
あぁ、あれ?あれは確か冬休み中に撮って、1月中旬頃に出されるって言ってたと思う。
三室 弥生
え、もうすぐじゃん。
篠田 徹
あと3週間ちょいって言ったところだな。ほぼ台本は覚えたから問題は無い。
三室 弥生
流石…
篠田 徹
これでも元役者なんで。
苦笑いを浮かべて徹が言う。
そんな自分を讃えないところが普通にかっこいい。
夕凪 沙羅
じゃっ、打ち上げ行こ〜っ!!
女子
いぇーい!!
クラスの中心である沙羅が言い正門から出ると、他の人はかもの子のように次々に正門から出て行く。


徹も歩き始め、私はふと口にした。
三室 弥生
あの沙羅の弱みはあるかな……。そうしたら、順番的に次は私がこのクラスの女王になるのに…