第4話

反抗
8,412
2018/11/21 21:10
問題が起きたのは、紅音が来てから数日後のことだった。
その日は夏休み前にある文化祭の出し物を何にするかの話し合い。
どうせ、沙月達が好きなものを決める。
そう誰もが思っていた。
女子
ということで、3週間後にある
文化祭の出し物を決めます。何か意見のある人はいますか?
学級委員がまとめながら話を進める。
広瀬 雪奈
はいは〜い!
女子
雪奈ちゃん、どうぞ。
広瀬 雪奈
今ー、沙月達と話し合ったんだ
けどねー。カフェとかがいいん
じゃないかなぁ?
あえて、”沙月”というワードを出した雪奈。


盛り上がってた教室が静かになる。
すると……
八神 紅音
はい!私、みんなでお化け屋敷
やってみたいな!!
桐山 桃香
え…
女子
あ、お、お化け屋敷…。
私は紅音が意見を出すとは思わなかった。
紅音の発言に沙月達の顔つきが変化したのが見て分かる。
峰本 沙月
……。
広瀬 雪奈
へぇ〜…。
教室の空気に紅音が不思議そうな顔。
投票したが、勿論、軍杯は沙月に上がった。
昼休み、紅音は沙月達に囲まれていた。
峰本 沙月
八神。
八神 紅音
え、あ、はい?
峰本 沙月
何でさっき意見を出した。
八神 紅音
何でって…お化け屋敷をやって
みたいからだけど…。
峰本 沙月
調子こいたことするなよ。
そう言い、沙月は紅音の机を蹴飛ばした。
音を立て倒れた机。


紅音の文具や教科書が床に散らばった。
八神 紅音
ひ、酷いよ!!!
広瀬 雪奈
酷いのは八神ちゃんだよ〜?
せっかく、沙月が意見を出した
のにそれを拒否るようなことを
言うからだし〜。
八神 紅音
え…?
不公平な話に顔を顰める紅音。


沙月が紅音の胸倉を掴んだ。
峰本 沙月
大丈夫。明日から沢山いじめて
あげるからさ。
意地悪く笑うと、手を離し大声で…
峰本 沙月
ねぇ!聞こえたよね?明日から
八神を庇ったやつ、喋ったやつ
は同類と認めるから。
その声にクラスはさらに静まった。
八神 紅音
も、桃香…。
紅音が助けを求めるような目で私を見る。


ここで私もいじめられるわけにはいかない。
だから、辛かったけどここは…
桐山 桃香
…ごめん。
この一言しか言えなかった。
八神 紅音
そんな……
広瀬 雪奈
まぁ、明日から楽しもうよ!
八神ちゃん♪
こうして、紅音は一瞬にして5軍へと落ちて
しまった……。

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