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第111話

チート
土曜授業の1、2時間目はいつも担任が受け持つ教科だと決まっている。
だから、隣のクラスの人達は物凄く国語が2時間続きになる土曜授業を嫌うが、私達は体育なので喜ぶ人の方が圧倒的に多かった。
みんなが体育館に入るとゴールが降ろされていて、ホワイトボード前にバスケットボールを持った倉科先生と井上先生が待っていた。
夕凪 沙羅
え、嘘?バスケ?
三室 弥生
どうだろ?
夕凪 沙羅
でも、倉科先生が持ってるのってバスケットボールだよね?
三室 弥生
うん。
夕凪 沙羅
やった!
倉科先生
みんなー!整列!
倉科先生の声にみんなが瞬時に並ぶ。
本当にいつもとは大違いだ。
倉科先生
今日はですねー、井上先生と話して座学でもいいかなとか言ってたんですけど、やめて私達との親睦会も含めて男女混合でバスケ大会やります!
井上先生
青春だ青春!女子は男子のカッコイイ姿見たいし、男子も女子の可愛らしい姿見たいだろ!
女子
見たい!!
男子
先生達神じゃん!!
倉科先生
バスケ部で最初に分けたいけど〜…何人くらいいる?
倉科 拓哉
男子は4人、女子は3人。と、チートが1人。
倉科先生
クラスは37人だから、6チームと2人余り…
燎 颯斗
…じゃあ、拓哉とチートの2人チームでいいと思いまーす!
男子
おっ、いいんじゃね?
女子
うんうん。
倉科先生
じゃあ、2人でチーム。あとはバスケ部をバラバラにして作っていきたいけど…やっぱみんな自由がいいよね?
女子
自由がいい!
倉科先生
今から5分とるから自由に決めていいよ!でも、男2女3か男3女2になるように!
女子
はーい!
その瞬間、多数の女子がジャンケンを始めてた。
私は沙羅と一緒が無理なので仲のいい2軍の女子に声をかけたら一瞬で釣れた。
そして、その女子と仲がいい男子2人と徹で5人。
沙羅は凌久と何故か優花里がいた。
女子
燎君!私達チームに入れて!
燎 颯斗
うん、いいよいいよー。
三室 弥生
あのジャンケンってチームを決めてたんだ…。
燎君と琉希のチームに2人の女子が入り、物凄いはしゃいでいる。
ジャンケン負け組は残念そうな悔しそうな表情。
井上先生
全員チームになったかー?って、そこ何で4人?
燎 颯斗
楓?やんないの?
月城 楓
動くとまだ体が軋んで痛い。
燎 颯斗
あ、そっか…
倉科先生
どうしましょう。
井上先生
んじゃ、俺が入ります!
女子
マジ!?めっちゃラッキーじゃん!
女子
もう1年で1番最高な日!!倉科先生!ありがと〜!!!
倉科先生
う、うん?まっ、いっか。では!準備運動したらA対Bで試合始めるよー!
いつもグダグダの準備体操は一瞬で終わる。
そして、得点板の準備とかも1分足らずで用意されていた。
三室 弥生
みんなのやる気…
篠田 徹
ほんと凄いな。
三室 弥生
倉科先生は楽しそうだもんね。
篠田 徹
ああ。
ホワイトボードにAからGとZが書かれた。
倉科先生
勝負は総当たり戦!
倉科 拓哉
Zって…。
空閑 柚稀
何か扱いがおかしい…。
そんなことをボソボソ呟くZチームを置いて、大会は始まった。
本当に大盛り上がりで男子も女子も歓声を上げっぱなしだ。
女子
長田、意外とカッコいいだと!?
女子
それな!
男子
すげぇ!てか、斎藤ヤバっ!
意外な発見をみんながする中、燎君達や倉科君達のチームが出たときはより声が大きくなる。
夕凪 沙羅
ねぇ、弥生〜!井上先生、めっちゃバスケ上手くない?
三室 弥生
ね!
夕凪 沙羅
あれ絶対にバスケやってたって!
三室 弥生
あのチームとZチームでどうなるかが見たいなぁ。
夕凪 沙羅
そりゃ、燎君チームっしょ!
三室 弥生
えぇー、倉科君達じゃない?
夕凪 沙羅
じゃあ、放課後のクレープ賭けよ!
三室 弥生
おっ、いいよ!
楽しい時間はあっという間で迎えた最終戦。
G対Zでそれまで両チーム共に全勝していた。
Gは燎君と井上先生が中心となった勝利。
2人だったZも頑張って点差を広げての勝利。
女子
あっ!最後はいつもの3人じゃん!倉科君ー!燎君ー!頑張れー!
女子
井上先生も頑張ってー!
男子
空閑も男らしさ見せてやれ〜!
空閑 柚稀
変なこと言うな!
倉科先生
はいは〜い!では、最終戦G対Z!
試合を始めます!
燎 颯斗
こりゃ、俺達の勝利だな。
倉科 拓哉
いや。俺達が勝つ。
始まった試合は燎君達が圧倒的に有利だった。
人数が多い上に他に比べ手強いということがあってか、両チーム特典は入るが燎君のチームの方が勝っている。
でも、倉科君達もチームプレーで点差を広げさせないように頑張っていた。
入る度に上がる黄色い歓声。
その光景はまさに先生達が言う青春そのもの。
倉科 拓哉
柚稀、本気出せよ。負けるじゃん。
空閑 柚稀
えー…
倉科 拓哉
人に最後まで諦めるな言うくせに。
空閑 柚稀
しょうがない、分かったよ〜…。
そう言ってジャージを捲り両手首と両足首から何かを取ると、体育館の端に投げた。
燎 颯斗
ゆ、柚稀さん…?今のは〜…
空閑 柚稀
重り。私はまだ強くなりたいから。
燎 颯斗
何kgで…?
空閑 柚稀
5kg、別にもう重くないけど。
井上先生
そりゃ、チート言われるな。
倉科 拓哉
ちゃんと見てやれよ。
空閑 柚稀
分かってるってば。
倉科君に指摘され、柚稀が苦笑いを浮かべる。
目をぱちぱちさせると長い前髪が分けられて隠れていた左目が姿を現した。
空閑 柚稀
明るっ…先生!続きお願いします!
倉科先生
了解。
Zボールで始まった続きはさっきよりも柚稀の動きが素早くなっていた。
すると、隣から小さな声で…
倉科先生
へぇ…また笑ってバスケ出来るようになったんだ……。
そんな声が聞こえて来る。
親として安心したのか見守るような視線を倉科君に向けていた。
ついにあの得点差を縮めたZチームは逆転。
そこで琉希が柚稀に何かコソコソと話していた。
八代 琉希
やってよ、柚稀。
空閑 柚稀
え、マジで?
八代 琉希
マジで。するとこ見たい見たい!
空閑 柚稀
うん、やってみるよ。拓哉!
倉科 拓哉
ああ!
琉希が柚稀を通過させ、空いてるところに移動したところに倉科君がパスを出す。
空閑 柚稀
よいしょ!!
追いかけてきた燎君をスルスルとドリブルで抜けてジャンプしたチートキャラの柚稀はこの日最大の歓声を浴びることになった…。