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第93話

積もる想いと夢
夕凪 沙羅
……。
三室 弥生
……。
夕凪 沙羅
本当にいい人だったんだね…。
三室 弥生
うん…
教えて貰ったこともあり、バスケ部の部長副部長は空閑瑞稀さんのお葬式に参列していた。
私は用事で行けない潤の代わり。
瑞稀さんは本当に良い人だったのが、参列した人数を見れば一目瞭然。
テレビで一度は見たことある芸能人やスポーツ選手も沢山いる。
Infinity劇団も来ていて、柚稀は劇団員として参列して親族なのは隠していた。
お葬式が終わった頃、取材陣から逃げて来た柚稀が私達のところにやってくる。
空閑 柚稀
今日は、お母さんのお別れ会に来てくれてありがとう…。
燎 颯斗
いやいや…。
空閑 柚稀
多分、お母さんも喜んでるよ…
三室 弥生
……ねぇ…大丈夫?
そう私が思わず心配になるくらい柚稀は酷かった。
取材陣の前で見せていた表情とは全く違う疲れ切った顔。輝かない目。同じ学校だったからこそ私には分かる。
空閑 柚稀
大丈夫大丈夫…驚いて疲れちゃってるだけだからさ。ついてきて…
言われた通りついて行くと、1台の車。
その車の運転席には久しぶりに見た澪里さんの姿があった。
三室 弥生
車?
空閑 柚稀
学校まで送るよ。
倉科 拓哉
いや、申し訳ないし…
空閑 柚稀
今週末、予定あるでしょ。
それだけを言うと、柚稀は後部座席のドアを開けて私達に中に入るように促した。
少し躊躇したが乗り込み、車が出発する。
そして、車が出発し何時間か経って泣き疲れた沙羅を含み長時間の式に疲れ寝たりウトウトし始めたとき前に座る2人が…
井上 澪里
いやぁ…ほんと、突然だったね…
空閑 柚稀
凄い驚いたよ…
井上 澪里
柚稀ちゃん、大変だよね。家族関係がバレないようにしなきゃだし…
空閑 柚稀
うん〜…
井上 澪里
あ、バスケ辞めるって本当なの…?
空閑 柚稀
まぁ…
三室 弥生
……。
倉科 拓哉
……。
バスケの話になって、向かいの席で腕を組んでウトウトしていた倉科君が瞼を開ける。
井上 澪里
どうして?
空閑 柚稀
なんて言うか…夢を叶えるためかな。
井上 澪里
夢?
空閑 柚稀
私って…何だかんだ言って、アイツらのこと結構好きなんだよね。
井上 澪里
男バスの部長副部長さん達かな。
空閑 柚稀
そそ、私はアイツらのことそこら辺の女子なんかよりも大好きだから。
井上 澪里
柚稀ちゃんがそこまでとは珍しいね。
空閑 柚稀
そうかな?
井上 澪里
うん。だけど、いいの?そんな…誰かにはめられたのが理由でしょ?
空閑 柚稀
私ね〜…誰かの怒る顔も悲しむ顔も見たくない。犯人なんてだいたい予測出来てるよ?でも、その子が怒られるのは何か可哀想…
井上 澪里
私的にはちゃんと話し合った方がいいと思うけどなぁ…
空閑 柚稀
いいのいいの。今更、言っても拓哉を怒らせちゃうから。近いうちに退部届け出すつもり。
井上 澪里
そう簡単にいくかなぁ…
空閑 柚稀
さぁ…でも、一つ言えるのは例えやめてもバスケは大好きだよ。だけど、夢を叶えるためにはやめないと。
井上 澪里
おっ、夢?
空閑 柚稀
うん…私、昔からずっとアイツらが全国大会で優勝するのを見るのが夢。
その言葉を聞いて、倉科君の動きが止まる。
空閑 柚稀
きっと出来るって初めて2人とバスケしたときから思ってた。だからこそ、2人には最高の環境を提供したい。だから、2人のどっちかに辞めろって言われたら辞めるよ…。
フロントガラスに反射している柚稀は少し寂しそうな顔だったけど、それよりも嬉しそうだった。
空閑 柚稀
バスケ以外でも私はやってけるし。
井上 澪里
それなら、柚稀ちゃんがいいならいいんじゃないかな?その2人にはどんな思い出があるの?
空閑 柚稀
聞きたい聞きたい?初めて颯斗が来た時に私を家から連れ出してねー、その連れ出した先で拓哉と初めて会ったんだけど…
楽しそうに倉科君と燎君との思い出話を澪里さんに話し出す柚稀。
倉科 拓哉
……あっ…
物凄く小さな声を漏らした倉科君。
その表情は何かを思い出したようだった…。