引っ越すことができて、荷物を運んだ
カナも祐希も手伝ってくれて嬉しかった
これから充実した大学生活をおくろう。
引っ越して数日後ーーーーーーーーーー
完全に予定が空いてしまった。
カナは彼氏とデート、祐希はバイトらしい
好きなアーティストの新曲も全て聞き終わってしまった
寝ようと目を閉じた、その瞬間
完全に気配を感じてしまった
霊感があるかわからないがとにかく感じてしまった
気づいていないかチェックするかのように跳ねる
俺の周りをぐるぐる回っている
薄目で見てみた
…失敗した。完全に目があってしまった
バレたか?
さっきより薄くして見る
何か口パクをしている
あ、バレてる
観念して起きた。
何かされたらたまったもんじゃない
話しかけると凄い笑顔になった
俺の部屋を見渡した後、メモ帳から紙を一枚破った
幽霊っぽい。
幽霊でもものを取れるのか
何かを書いている
小さい子が書いた字なんて、大体は読めないだろ
そう、思っていた
とても字が綺麗だった
絶対習字を習っていたのだろう
ズキン
頭が…痛くなった
俺は…何かを思い出そうとしている
いや…
そんなわけない
俺は知らない
誰だ
一瞬悲しそうな顔をしていた
だが、俺は知らない
また笑顔に戻り俺の部屋を見回していっていた
壁にかかっている絵や花瓶をずっと見ている
名前を呼ぶと凄い笑顔になった
またメモ帳に書きはじめた
なんなんだ、この幽霊
ちょっとかわいいって思ってしまった
かりん…か
とてつもなく会話しにくいな
まぁ、そのうちいなくなるか…
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見ていただきありがとうございました!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!