第4話

女子の渦
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2018/06/07 03:13
翌日、学校に行くと、遥香と麗ちゃんが待っていた。
遥香
菜柚来るの遅い~
菜柚
ご、ごめん
菜柚ちゃんおはよう!
菜柚
お、おはよう・・・!
遥香
さあ、さっさと教室入るよ、さっさと
ははは
菜柚
う、うん
ガラッ。
遥香が教室に入って行く。続いて、麗ちゃん、私が入る。
いつもなら、ここで沈黙が訪れる。しかし、今日は違った。
クラスの女子
早瀬さん、ちょっといいかな?
菜柚
へ、え、なん、
クラスの女子
こっち来て
この子達、笑ってるけど、かなり・・・
クラスの女子
あのさぁ、お前調子乗んなよ
菜柚
え、何、
クラスの女子
昨日神尾くんと帰り道に二人で歩いてたでしょ、私達見たんだから!
私の話を遮られてしまった。
菜柚
え、えっと、誤解です、私と槊・・・神尾くんはただの・・・
その前に、あんたらはどうして俺とこいつが一緒に帰ってるの知ってるの?
気がつくと、目の前に槊の背中があった。
クラスの女子
え、そ、それは・・・
俺とこいつが何してようが、あんたらには関係ないだろ
クラスの女子
・・・っ、ごめんなさい!
女子の渦が逃げるように走り去った。
菜柚
あ、槊、ごめん・・・
お前何も悪くないだろ
菜柚
で、でも、私が何も言い返せなかったから、槊に迷惑かけちゃったし・・・
そんなのガキの頃から迷惑かけられっぱなしだから、もう慣れたわ
菜柚
そ、そっか・・・
でも、さっきのありがとう
槊がいなかったら、多分・・・何も出来なかったと思う
やっぱり私はオドオドしてるから、何も言い返せない。本当は、槊とか遥香みたいな強い人になりたい。
遥香
菜柚!
菜柚
遥香!
遥香
大丈夫だった?神尾くんが『俺が行く』って言ったから見守ってたんだけど
菜柚
え、槊、そうなの?
うるせー!
槊、顔が真っ赤だけど、どうしたのかな。
遥香
まあとにかく、無事で良かった~!
菜柚
うん、ごめんね
遥香
いいよ、菜柚悪くないもん
菜柚ちゃん大丈夫⁉
菜柚
麗ちゃん!だ、大丈夫だよ!
良かった~、守れなくてごめんね!
菜柚
いいよ、槊が守ってくれたし
遥香
・・・・・・・菜柚
菜柚
ん?
遥香
お前はバカかーーー!
菜柚
え・・・?
菜柚ちゃん、神尾くんのことが好きなんだよね?
菜柚
え、えーーー⁉違う違う!
遥香
いや、さっきの言い方は完全に『好き』って解釈になるよ
菜柚
えーーー⁉うそーーー!
遥香
まあ天然で言ってるんだとは思ったけどね
菜柚
え、私天然?
遥香
お前が天然じゃなかったら誰が天然なんだよ!
うんうん
ちょっと、麗ちゃんまで!
菜柚
・・・てかさ、遥香、その口調、モテないよ
遥香
モテんでいーわ!てか、話をそらすな!
げ。バレてましたか。
菜柚
・・・ごめんなさい
まあ、女子の渦も去ったし、一段落したということで。

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