翌日、学校に行くと、遥香と麗ちゃんが待っていた。
遥香
菜柚来るの遅い~
菜柚
ご、ごめん
麗
菜柚ちゃんおはよう!
菜柚
お、おはよう・・・!
遥香
さあ、さっさと教室入るよ、さっさと
麗
ははは
菜柚
う、うん
ガラッ。
遥香が教室に入って行く。続いて、麗ちゃん、私が入る。
いつもなら、ここで沈黙が訪れる。しかし、今日は違った。
クラスの女子
早瀬さん、ちょっといいかな?
菜柚
へ、え、なん、
クラスの女子
こっち来て
この子達、笑ってるけど、かなり・・・
クラスの女子
あのさぁ、お前調子乗んなよ
菜柚
え、何、
クラスの女子
昨日神尾くんと帰り道に二人で歩いてたでしょ、私達見たんだから!
私の話を遮られてしまった。
菜柚
え、えっと、誤解です、私と槊・・・神尾くんはただの・・・
槊
その前に、あんたらはどうして俺とこいつが一緒に帰ってるの知ってるの?
気がつくと、目の前に槊の背中があった。
クラスの女子
え、そ、それは・・・
槊
俺とこいつが何してようが、あんたらには関係ないだろ
クラスの女子
・・・っ、ごめんなさい!
女子の渦が逃げるように走り去った。
菜柚
あ、槊、ごめん・・・
槊
お前何も悪くないだろ
菜柚
で、でも、私が何も言い返せなかったから、槊に迷惑かけちゃったし・・・
槊
そんなのガキの頃から迷惑かけられっぱなしだから、もう慣れたわ
菜柚
そ、そっか・・・
でも、さっきのありがとう
槊がいなかったら、多分・・・何も出来なかったと思う
やっぱり私はオドオドしてるから、何も言い返せない。本当は、槊とか遥香みたいな強い人になりたい。
遥香
菜柚!
菜柚
遥香!
遥香
大丈夫だった?神尾くんが『俺が行く』って言ったから見守ってたんだけど
菜柚
え、槊、そうなの?
槊
うるせー!
槊、顔が真っ赤だけど、どうしたのかな。
遥香
まあとにかく、無事で良かった~!
菜柚
うん、ごめんね
遥香
いいよ、菜柚悪くないもん
麗
菜柚ちゃん大丈夫⁉
菜柚
麗ちゃん!だ、大丈夫だよ!
麗
良かった~、守れなくてごめんね!
菜柚
いいよ、槊が守ってくれたし
遥香
・・・・・・・菜柚
菜柚
ん?
遥香
お前はバカかーーー!
菜柚
え・・・?
麗
菜柚ちゃん、神尾くんのことが好きなんだよね?
菜柚
え、えーーー⁉違う違う!
遥香
いや、さっきの言い方は完全に『好き』って解釈になるよ
菜柚
えーーー⁉うそーーー!
遥香
まあ天然で言ってるんだとは思ったけどね
菜柚
え、私天然?
遥香
お前が天然じゃなかったら誰が天然なんだよ!
麗
うんうん
ちょっと、麗ちゃんまで!
菜柚
・・・てかさ、遥香、その口調、モテないよ
遥香
モテんでいーわ!てか、話をそらすな!
げ。バレてましたか。
菜柚
・・・ごめんなさい
まあ、女子の渦も去ったし、一段落したということで。
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