第30話

槊の部屋
130
2018/06/28 13:53
あれから、槊の部屋で勉強を教えて貰っている。
この問題は・・・・・って、聞いてる?
菜柚
へっ⁉あ、ごめん!
槊の部屋の物に気をとられて、全然頭に入ってきていなかった。
お前、授業もそうやって聞き流してるから、バカなんじゃないの?
菜柚
うぅっ、そうかも・・・
図星をつかれた。
もう一回教えるから、今度はしっかり聞いてろよ
もう一回教えてくれるんだ・・・。
槊の話をちゃんと聞いていたら、だんだん意味が分かってきた。
どう?分かった?
菜柚
槊!あんた天才⁉
はぁ⁉
菜柚
説明分かりやすすぎでしょ!
丁寧に教えないと、分からないだろ。お前のポンコツ頭では。
菜柚
ちょっと!感謝してたのに!
本当のこと言っただけだ
もう、口は悪いんだから!
じゃあもう一回やってみろ
私は、槊に言われる通り、分からなかった問題を解いた。すると、すらすらと解けた。
菜柚
あれ・・・?私出来てる・・・?
菜柚は、成績面は、本当のバカではないはずだ
菜柚
え、そうなの?
ああ、やれば出来る。行動しないだけで。
菜柚
そうだったのか・・・。てっきり、何も出来ないダメダメJCだと思ってた。
それは言いすぎ
菜柚
うん・・・てか・・・ふぁ~・・・眠くなってきた・・・
私はそのまま寝てしまった。
槊side
え、おい!
寝るの早すぎだろ(笑)
呑気にみていたら、菜柚が俺の方に倒れかかってきた。
・・・っと、あぶね
菜柚の頭が俺の太ももに乗って、膝枕の状態になった。
・・・無防備すぎ
菜柚の顔をこんなに間近で見るのは初めてかもしれない。白い顔、形の整った眉毛、長い睫毛、細い鼻、少し口角の上がった口、ほんのり赤い頬。
菜柚って、こんなに可愛かったっけ
いや、前から可愛い。自覚ないけど。でも、今は少し大人っぽさが混じって、綺麗になった。
・・・好きだよ
菜柚
・・・ん~・・・
少し驚いた。でも、また寝息をたて始めたから、起きてはいないようだ。とりあえずそっとしておいて、勉強を再開するか。
菜柚side
菜柚
・・・・・ん
あ、起きた
あれ、私いつの間にか寝てた?もしかして、槊に寝顔見られた⁉
菜柚
私の寝顔見た?
ああ、よだれ垂らしてたから、拭いといてやったぞ
(嘘だけど)
菜柚
え、よだれ出てた⁉恥ずかしい!
子供の時から見慣れてるから大丈夫
菜柚
子供の頃も私よだれ垂らしてたの?
うん、あの時は『可愛い』だけどな
菜柚
今は違うの⁉
今だと『行儀悪い』になる
菜柚
え、ひどい
てのは冗談。今でも可愛いし。
菜柚
いや、可愛くないけど!
本当自覚ないな
菜柚
え?
他の男に目をつけられないように、気をつけろよ
菜柚
大丈夫!私槊以外の男子とほとんど話さないから!
・・・そう
菜柚
何?
お前は気づいてないと思うけど、菜柚結構可愛いんだからな
菜柚
いやいやいや!それはない!
鈍感すぎるから問題なんだよなぁ
菜柚
槊は私の彼氏だから可愛いって思うのかもしれないけど、本当に可愛くないから!いい加減目を覚まして!
それはこっちのセリフだ!お前が髪型アレンジして学校来た時の男子の反応『結構可愛い』だったから!お前がそれを無視してるだけ!
菜柚
・・・そ、そんなに言われたら、恥ずかしいよ
恥ずかしがっとけ
菜柚
はいはい!注意しとけばいいんでしょ!
その後、少し気まずくなって、時間が来たので私は家に帰った。喧嘩は喧嘩でも、今日みたいな喧嘩はちょっと楽しいかもw

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