俺は、松尾に教室に押し込まれて、席に座って考えていた。
何なんだ、あの新堂とかいう奴は。俺と菜柚の邪魔しやがって。もうこうなったら、直接あいつと対抗した方がいいんだろうか。
俺は、次の休み時間、新堂を呼び出した。
それはそうだ。あいつのことなんだから、俺達だけで決めるわけにはいかない。・・・でも、万が一、菜柚が新堂を選んだら、俺は・・・。
部活帰りの下校中、菜柚に遭遇した。
菜柚が無邪気に笑った。そういう顔は、反則だろ。
俺は、新堂の件が少し気になったので、聞いてみた。
俺に言ってはまずいことってなんだ?菜柚のことだから、おかしなこと言ったかもしれないとは思ってたけど。
そんな、赤面して、ちょっと照れて言われたら、そう言うしかないだろ。お前、ちょっとは考えろよ。
もしかして、これ嫉妬?俺、期待していいんだろうか。
俺がキスしていなくて、安心したってこと?
それ、やっぱり嫉妬なんじゃないの?
そう聞きたいのに聞けない。
やべ、顔が赤くなってきた。早く答えろよ。
やっぱりそうだよな。菜柚は俺のこと、男として見ていないわけだし。幼馴染みがいいよな・・・。
俺は、付き合うって言って貰えた嬉しさ、切なさなどを感じた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。