第6話

お祝い
355
2018/06/07 12:09
午前6時過ぎ。目覚ましが鳴り響いて、起きた。
菜柚
ふぁーねむー
とぼとぼと歩いて、目覚ましのアラームを止めに行く。

ブーブー。
スマホの通知音が音を立てた。漫画の編集部からで、前回投稿した漫画の結果のお知らせのようだ。メールを開くと・・・
菜柚
えええええーーーーー!!!???
お母さん
朝からうるさい!何なの?
菜柚
ご、ごめんなさい・・・。実は、漫画が・・・
そう言って、私のスマホの画面を見せた。
お母さん
漫画?・・・って、えええええーーーーー!!!???
お父さん
おーい二人ともうるさいぞー
柚登
何の騒ぎ?
お父さんと、弟の柚登まで起きてきた。


お父さん
なるほど、すごいじゃないか
柚登
ねーちゃんにしてはやるな
菜柚
何その上から目線!
前回投稿した漫画が、銅賞を獲得したのだ。
お母さん
まあまあ二人とも。今日の夜はご馳走ね!
柚登
よっしゃ
菜柚
柚登のお祝いじゃないんだからね!
柚登
はんっ。でも、そのご馳走を俺も食べるということはかわりない。
ったく、意地の悪い弟なんだから。
柚登
まあ俺も、昨日いいことあったけど
菜柚
まあ私ほどじゃないと思うけど
柚登
彼女出来たし
お母さん
そうだった!そのお祝いも兼ねてね!
お父さん
おい柚登!父さん聞いてないぞ?
菜柚
彼女?どんな子?
柚登
3人同時に喋るなよ、こんな子。
見せられた写真には、柚登と、その隣にとても美人な女の子が映っていた。
菜柚
え、何この子!めちゃくちゃ可愛いじゃん!柚登にはもったいない!
お父さん
本当だな~、お前が告白したのか?
柚登
向こうに告白された
・・・・・
みんなが静まり返った後・・・

「「「ズルいだろーー!!!」」」
私、お母さん、お父さんの3人が、同時に声を上げた。
柚登
え、母さんまで・・・
お母さん
こんな美人な子、あんた、どうやっておとしたのよ!
菜柚
ハッハッハ、どうやらお前を信じる奴はいないようだな!
謎のテンションで言った。
柚登
なんだよその言い方、父さんは信じたよな?
お父さん
さすが俺の息子。よくもおとしてくれた!
柚登
ほら
菜柚
お父さん⁉
お母さん
菜柚、この男達はあんな性格ブスに一瞬で惚れたのよ。ほんっと、バカらしい!
お母さんまでが狂った。
柚登
見た目が完璧だからって、性格ブスって決め付けんな!希那ちゃんは、中身も完璧だ!
菜柚
・・・『希那ちゃん』って言うんだ~!また家に連れて来てよ?
柚登
ああ、そのつもり。
これ以上話していると遅れるので、私は普通のテンションに戻して言った。

希那ちゃん、か。いい子だといいなぁ。私は、朝食のトーストを頬張りながら、そう思った。

プリ小説オーディオドラマ