私、早瀬菜柚。今日から中学3年生。
今日は、クラス替え。
またみんなと同じクラスになれるといいな~。
2年生の頃から友達の、松尾遥香。しっかりもので、いつも私の世話を焼いてくれる。
うっ。そうでした・・・。
本当、私って遥香がいないとダメだなぁ。
ピンポンパンポン。
校内に、放送が鳴り響いた。
《只今より、クラス分け表を貼り出します。来ている生徒は、邪魔にならないように待機してください。》
あ、そっか。今初めて気がついた。本当に、遥香がいなかったら、どうしていただろうか。
表には、1組から7組までの生徒の名前と、出席番号が書かれていた。
遥香に続いて私もクラス分けの表を見通した。
遥香は慎重に、私より後ろの番号の人の名前を見ていく。
安心して溜め息が出た。
声の方を見ると・・・私の幼馴染み、神尾槊がいた。
まーまーそれは置いといて。
うっ。遥香様、ごめんなさい。また一年迷惑をかけることになりそうです・・・。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!