「菜柚にしては」は余計だけど
「ははは」じゃないよ麗ちゃん!
私が可愛い?意味分かんないって!
普通に真に受けないでよ!
この人誰だっけ?
そう言って、彼は去っていった。
だってそもそも今まで面識なかったし、まずイケメンに興味ないもん!
やっぱり麗ちゃんはモテるんだと、改めて感じた。
あの後、私は新堂くんに会うと、毎回声をかけられた。
その後も
またその後も・・・
私と会うと、毎回呼び止めて来るようになった。
そして、またその後もあった。
槊が私の腕を引っ張った。
新堂くんが、急に真顔になった。
その顔に圧倒されて、私は顔が少し強ばった。
二人とも怖い。私は槊がこんなに怒っている所を見たことがなかった。
・・・・・
空気が凍りついた。
槊が口ごもった。
そして、顔がみるみる赤くなっていき・・・
そう言い放って、私の腕を強く引っ張って、連れて行った。
新堂くんが見えない所まで来て、槊が足を止めた。
ものすごく怒っている。
私は、一歩後ずさった。
怒られてるのに、なぜか嬉しくなった。
私に嫉妬してたってこと・・・?
そう思うと、やっぱり嬉しくなった。
・・・私、本当は槊のこと好きなのかな。
段々そう思うようになってきた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。