第24話

デート
144
2018/06/19 11:53
ついに、ついにこの日がやって来た。槊の誕生日デート!私達は、槊が行きたいという、ラウンドワンに行くことになった。槊の甘えで、私が槊の家に迎えに行くことになったんだけど、槊の反応が怖い。今日のコーデは、かなり露出が多い。「豚足かよ(笑)」とか言われそう・・・。そんな不安を胸に押さえ込み、私は、槊の家のインターホンを押した。
ピンポーン。
ガチャッ。
ほどなくして、家のドアが開いた。
おはよう、菜柚
槊が出てきた。うわっ、かっこいい。この前家に来た時は、それどころじゃなくて、服なんて見ていなかったけど、やっぱりかっこいい。久々に見る私服姿に目を奪われる。槊は、スタイルがよく、キリッとした服がよく似合う。今日も、キリッとしたコーデだった。
菜柚
お、おはよう!
私は緊張してそう答えた。すると、槊が私の全身を見てきた。
・・・お前、張り切りすぎだろ
菜柚
へ⁉あ、やっぱり似合ってないよね!あはは!
やっぱり私には似合わないよね、こんなヒラヒラした服・・・
・・・いや、似合ってるよ
へ?今なんて・・・
すげー可愛い
少し照れてそう言った槊は、顔が赤らんでいた。
菜柚
槊?顔赤いけど、大丈夫?
・・・大丈夫
そっけなく答えた。なんか、この前から、遠慮してる気がするんだよね。
あっ、そうだ!槊が褒めてくれたんだから、私も褒めないと!
菜柚
槊もさ、その服似合ってるね!かっこいい!
私がそう言うと、槊はそっぽを向いた。あれ、なんか間違えちゃった?
・・・恥ずかしいんだけど
菜柚
え、あっ、ごめん
既に赤かった槊の顔が、更に赤くなった。
菜柚
え、槊⁉大丈夫⁉
そう言って、私は槊のおでこに手を当てた。
ちょ、大丈夫だって
う~ん、熱はないみたいだけど・・・
菜柚
槊さ、なんか無理してない?
え?
菜柚
なんか、私が心配しないように気を遣ってるっていうか・・・そんなこと気を遣わなくていいのに
・・・本当、菜柚には敵わないな
そう言って、槊が私の頭を撫でた。
菜柚
え?
心配してくれて、ありがとう。確かに、俺ちょっと無理してたかもしれない。でも、もう無理しないから。
その時の槊の笑顔が、いつもより少し大人びて見えた。
菜柚
さて、話してたら着いちゃったね
ああ、思いきり楽しもうな
菜柚
うん、あのね、今日は槊の誕生日デートじゃん?だから、私になんでもお願いしていいからね!
え・・・じゃあ一つ目、俺にハグして
菜柚
え、そ、それはいきなりは・・・
なんでもお願いしていいんだろ?
槊が、いたずらっぽい笑みを浮かべた。むむ、槊の奴、利用しやがったな。
菜柚
わ、分かったよ
私は槊に抱き付いた。すると、槊が腕を私の背中に回した。
菜柚
・・・!///
・・・照れてる。可愛い。
すっかり遠慮しなくなった槊は、私をドキドキさせることばかり言う。

はぁ、こんな時間がずっと続けばいいのに。
私は、心の中でそう思った。

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