ついに、ついにこの日がやって来た。槊の誕生日デート!私達は、槊が行きたいという、ラウンドワンに行くことになった。槊の甘えで、私が槊の家に迎えに行くことになったんだけど、槊の反応が怖い。今日のコーデは、かなり露出が多い。「豚足かよ(笑)」とか言われそう・・・。そんな不安を胸に押さえ込み、私は、槊の家のインターホンを押した。
ピンポーン。
ガチャッ。
ほどなくして、家のドアが開いた。
槊が出てきた。うわっ、かっこいい。この前家に来た時は、それどころじゃなくて、服なんて見ていなかったけど、やっぱりかっこいい。久々に見る私服姿に目を奪われる。槊は、スタイルがよく、キリッとした服がよく似合う。今日も、キリッとしたコーデだった。
私は緊張してそう答えた。すると、槊が私の全身を見てきた。
やっぱり私には似合わないよね、こんなヒラヒラした服・・・
へ?今なんて・・・
少し照れてそう言った槊は、顔が赤らんでいた。
そっけなく答えた。なんか、この前から、遠慮してる気がするんだよね。
あっ、そうだ!槊が褒めてくれたんだから、私も褒めないと!
私がそう言うと、槊はそっぽを向いた。あれ、なんか間違えちゃった?
既に赤かった槊の顔が、更に赤くなった。
そう言って、私は槊のおでこに手を当てた。
う~ん、熱はないみたいだけど・・・
そう言って、槊が私の頭を撫でた。
その時の槊の笑顔が、いつもより少し大人びて見えた。
槊が、いたずらっぽい笑みを浮かべた。むむ、槊の奴、利用しやがったな。
私は槊に抱き付いた。すると、槊が腕を私の背中に回した。
すっかり遠慮しなくなった槊は、私をドキドキさせることばかり言う。
はぁ、こんな時間がずっと続けばいいのに。
私は、心の中でそう思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。