確かに何気なく言った一言なんやと思う。
あなたに悪気も言葉の裏がないのも分かっとる
でも、ちょっと酔いが回った頭では冷静におれん自分がおった
『朝まで休んでく?』
そんな言葉、簡単に言わんといてや
俺のこと、信頼しとるのかもしれんけど
そんなのいらんねん
男として、見てくれんのは辛いんや
気づいたらあなたを床に押し倒していた
真下にあなたがいて、正直このまま抱きしめてしまいたかった
俺のものにして、もう誰にも渡したくないんや
でも、あなたの顔は明らかに怯えていて
あかんやん、こんな顔させたら
酔ってたはずの頭が急に覚めていく
わざと明るく笑い飛ばして、あなたを解放する
あなたが頬を膨らませて怒ってる
あなたが今度はしょんぼりしとる
そんな姿すら、可愛ええと思う
…これで良かったんや
このままふざけたふりで、やり過ごしてしまおう
淳太くんは起きそうもなくて
再度、あなたにちゃんと許可を取って
床にゴロリと横になる
わざと笑い話にしてしまおう
あなたの負担になりとうないしな
時計は3時過ぎを指していた
寝室に入ってく後ろ姿を黙って見つめてた
…今日はもう寝れそうにないな
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。