第100話

初OA日 14 ~崇裕’s side~
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2021/07/09 15:08
…何やってんのやろな、俺



住所は控えてたから、ちゃんとマンションまでは来れたんやけど
同じ建物がいくつもあって、どこかあなたちゃんとこか分からへんくなってしもうた




…そう言えば、前来た時もあなたちゃんに迎えに来てもらったんやったんだっけ
夜に知らんとこで待ってるんも寂しいなぁ



って思ってたら、向こうから手を振って歩いてくるあなたちゃんが見えた

暗い闇の中なのに、そこだけ明るく見えるんは



この子が好きだからなんや



って実感する
あなた
濵ちゃん、お疲れさま
崇裕
あなたちゃん、ごめんな

って駆け寄ろうとしたら
照史
濵ちゃん、お帰り
暗闇から照史が出てきてん
崇裕
うわっ、何やねん
驚いとる俺を見て、うひゃひゃって笑っとる照史
照史
ごめんな~、あなただけやなくて
照史
夜に女の子1人で来させるわけにいかんやん
そりゃ分かるけどな
崇裕
驚かさんでええやん
照史
普通に迎えに来ても、おもろくないやん
あなたちゃんに会いたくて、急いで仕事終わらせて来たのになぁ



照史、邪魔やん
あなた
濵ちゃん忙しいんでしょ、今日大丈夫だった?
部屋に向かいながら、あなたちゃんが心配そうに聞いてくる



やっぱり優しいなぁ
崇裕
大丈夫やって、元々俺が言い出したんやし
照史
あれっ、流星が言い出しっぺやないん?
崇裕
最初、俺が誘ったんや、流星はそん後
崇裕
で、シゲやら、みんなから誘われてん。収拾つかんくなるとあなたちゃん大変やん
あなた
で、流星くんが計画してくれたんだよね
照史
せやったんだ。流星が音頭取るって珍しい思ったんや
崇裕
で、俺が最後なん?
ドラマが放送開始するまで、後1時間ちょっとやった
照史
いや、シゲがまだや。収録押してるらしいわ
崇裕
そっが、シゲも忙しいやんな
あなた
シゲちゃん、大丈夫かな。昨日あんなに楽しみにしてたのに
照史
シゲから連絡来とるん?
あなた
うん。ほぼ毎日かな
照史
毎日?あいつ何しとるん
いや、気持ちは分かるねん



毎日忙しいから、あなたちゃんの声聞きたいんやろな
崇裕
俺もそうしようかな
照史
何か言ったん?
崇裕
嫌、別に
小さく呟いた言葉は夜の闇に消えて言った

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