…そういえばここに来んの、あの日以来やな
あなたが熱を出した日、照史にライバル宣言したことを思い出す
照史は言ってた通り、今まで通りの態度で接してくれて
あの日のことは嘘やったのかなって思うけど
そこは年上の余裕なんやろか
考え事しながら作業してたら、あなたが呼んでんのも気づかんで
気づいたらあなたがすぐそばにいて、俺の服の裾を引っ張ってた
あなたが横でクスクス笑ってて
こんなことすら幸せやって思う
持ってきた袋から食器を取り出す
…そう言ってくれると思ったんや
プラスチックのカラフルな食器
子供のパーティーとかで使うようなやつやけどな
ちゃんと、それぞれのメンバーカラーが揃ってたんや
同じ種類で半透明な白いやつ
あなたらしいと思って買ってきた
良かった、喜んでくれてん
あなたのこの顔が見たかったんや
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。