今日はラジオの日だから、照史とスタジオにいたら、電話が鳴った。
…あなたちゃんから?
…何かあったんやろか?
あなたちゃんから電話が来るなんて、珍しいん。
ほっとしたようにあなたちゃんが話し出す。
その話によると、シゲがあなたちゃん家に急に来て、
ご飯を食べたら、そのままソファで寝てしまったらしく。
何をしても起きなくて、困ってしまったとの事。
…あいつ、何してんねん。
マネージャーにシゲのスケジュール確認して。
…誰かに行ってもらおかな。
グループラインに
《緊急事態発生 今すぐ動ける時間のあるやつ、連絡くれ》
って、いれて。
横で心配そうにしてる照史に状況説明して
そうこうしてたら、神ちゃんから電話があった。
今度は神ちゃんに事情を説明して、
俺、ちゃんと知らへんわ。
あなたちゃんに直接聞いてもらおうか、って思ってたら
って、電話が切れた。
…何であなたちゃん家行っとるねん。
納得いかへんわ。
なんて、思っとったら、
今度は流星から電話。
また事情を説明して、
そや、あなたの家…。
横から照史が俺のスマホを取って、流星に説明しとる。
…何で照史まで知っとんねん。
照史が俺にスマホを返す。
何か上手くはぐらかされてるんやけど…
あなたちゃんに連絡して、2人が行くこと説明して
…何か俺、めっちゃ重労働しとらん?
でも、
可愛ええ声でこんなん言われたら、
って言ってしまうよな。
困った時に頼ってもらえるんの、嬉しいやん。
ラジオがなかったら、俺が今すぐ飛んでいくんやけど。
何で今日やねん。
…重岡のアホっ
そうや、仕事せな。
あなたちゃんのこと、めっちゃ気になってんけど
そんなこと言ってられんわな。
…終わったら、電話してみんと。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。