第74話

夜更けに ~照史‘s side~
646
2021/06/18 03:53
夜も12時を過ぎ、少し寝ようかと




ブランケットにくるまって、ソファに寝転んでた

ふと視線を感じたと思ったら、あなたが起きてきてて
あなた
何で、照史くんがいるの?

俺を見つけて驚いてた
照史
神ちゃん、明日仕事やから、俺と交代したんや

あなたがちょっと困ったような顔してて
照史
俺だったら、嫌やった?

ちょっと不安になった

あなた
違うの。神ちゃん仕事なのに、私ワガママ言っちゃったから
照史
ええんやって、病気の時は誰でも心細くなるんやから

いつもみたいに頭に触れようとしたら



微妙に距離を置いて、俺の近くに寄ろうとしない

…理由は何となく分かるけどな
照史
あなた、汗かいたやろ。熱上がるから着替えな
照史
タオル、借りるで
たおるを何枚か濡らして、レンジでチンしてあなたに渡す

照史
ほい、身体ふくのに使いな
あなた
照史くんって、すごいね
照史
何がや
あなた
私が思ってること、言わなくても分かってくれるもん
照史
普通やって。早くせんとタオル冷めるで

あなたが寝室に戻ってく



…そりゃあ、分かるで。好きな子のことやもん



着替えたあなたがリビングにやってくる
照史
こんな時間やけど、なんか食べるん?
あなた
アイス食べたい
照史
あるで、でもその前に熱計りな

体温計は37.5℃で、大分落ちついたみたいや


あなた
照史くんの眼鏡姿初めて見た
照史
普段はコンタクトなんや

ちょっと寝ようと思ったから、眼鏡に切り替えたとこやった。

あなた
なんか、いつもと違ってて、いいね

今日のこと、あなたに謝らんと
照史
今日はごめんな、俺のせいで無理させたやろ
あなた
違うよ、私の自己管理が甘かったの
あなた
照史くんは悪くないよ
照史
せやかて、具合悪かったら、無理して来んでもええのに
あなた
私が照史くんの勇姿、見たかったの

いつもの、俺が大好きな笑顔で笑う

あなた
私こそごめんね、迷惑かけちゃって
照史
迷惑なんか、あらへんよ

せや、迷惑なんて思わへん。



あなたのために出来ることなら、何でもしてやりたいんや

照史
また熱上がったら困るから、もう寝た方がいいで
照史
俺、今日はここにおるから、具合悪くなったりしたら、言うんやで
あなた
ありがとう、照史くん

あなたは寝る支度をして、寝室に戻ってった



…俺も少し休んでおこう
ほのかにあなたの匂いがするブランケットにくるまってると



あなたに包まれてるみたいで




俺は幸せな気分でまぶたを閉じた

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