第68話

看病 2 ~智洋‘s side~
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2021/06/15 22:07
智洋
あなた、お粥できたけど食べれる?

寝室に声をかけたら、あなたが出てきた
智洋
卵入れるん? 梅もあるで
あなた
卵がいい
智洋
うん、わかった
出来上がったお粥を、あなたの前に置く
智洋
熱いからな、気をつけて食べや
ふーふーしながら、食べる姿が可愛くて、思わず見とれてしまう
あなた
美味しい
智洋
良かった。プリンもゼリーもあるで
智洋
アイスも買ってきたし、果物缶も冷やしとるし
あなた
神ちゃん、過保護過ぎ
智洋
食べれそうなもん、って思ったら、あれこれなってしまったんや
あなた
うん。でも、こうやって誰かにお粥作ってもらうの初めてかも
智洋
初めてなん?
あなた
うん。いつも1人だったし

そういえば、あなたから家族とか、友達と話って聞いたことないやん。


前に言ってた抱えてるもんは、関係してるんやろか
智洋
食べたら薬飲んで寝るんやで
あなた
神ちゃん、お母さんみたい
智洋
おかんキャラは伊達やないで

薬を飲んだんを見届けて、水枕を取り替える
あなた
神ちゃん、そろそろ帰るの?

時間は夜9時を回ってて、明日の仕事のこと考えたら、もう帰った方がいいとは思うねんけど
智洋
どうしたん?
あなた
さっき寝てた時、神ちゃんがいてくれる物音がして、なんか安心できたの
あなた
だから、
智洋
出来ればいて欲しい?

あなたの言葉を先回りして言うと


恥ずかしそうに頷いた

智洋
ええよ、ここにおるから、安心して休み

あなたをベッドに寝かせて、下に座る
智洋
眠るまで、ここにおるよ

まだ熱い手を握ると、静かに目を瞑った



…病気の時って、不安になるもんな
でも、あなたが自分に甘えてくれたことが嬉しくて



…明日の仕事は後で仮眠すれば大丈夫やろ
そう思いながら、しばらく寝顔を見つめていた

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