戻ってきたシゲを見て、何となくやけど理由が分かってしまった
…どうするかな
急にテンションが落ちたシゲが気の毒で
…しゃーないな
そう思って、部屋を出た
電話をかけるとあなたはすぐ出て
…やっぱりやったか
俺の勘って凄いな
そう、明日は俺のメイン回の撮影で
それに来るために、シゲの誘い断ったんやろなって思ってん
それは予想通りだったみたいや
ずっと考えてたことをあなたに伝える
あなたのことやから、皆の撮影を見に行ってるから、俺の時も行かなって思って
でも、シゲの誘いを断るのも悪い思ってて
悩んでるんやないかって心配やったんだ
何となくやけど、あなたの声が最初より明るくなった気がした
スマホの向こう側であなたが微笑んでるのが見えた
着られたら困るんや、俺の計画が台無しになるわ
そろそろ時間やから、電話を切って控え室に戻る
まぁ、今回はシゲに譲ってやるか
部屋に戻るとガッツポーズしとるシゲがおって
あなたがちゃんと連絡してくれたみたいや
淳太と流星が顔見合わせてため息ついとる
皆でため息をついとる
淳太の悲鳴が聞こえる
俺、ちょっと間違えたな
その後の収録でシゲが暴走する姿を見て、ちょっと反省したのは、メンバーには黙っておかな
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!