突然の訪問にあなたはちょっとびっくりしとったけど
と、思い描いてた笑顔で迎えてくれた。
そう言えば、ここに来たい一心で、そんなこと忘れとったわ。
…えっ、あなたが作ってくれんの?
あなたが冷蔵庫の中を覗いて、何にしようか考えとる。
向こうで待っててもええけど、少しでも側にいたいねん。
あなたのキッチンはキレイにしてあって、冷蔵庫の中もちゃんと料理してる感じで
…めっちゃええやん。
冷凍庫にシチューがあるのを見つけた。
あれっ、何か歯切れ悪ない?
2人で並んでキッチンに立つ。
…ええよなぁ、こういうの。
あなたが横で野菜を切ってるんを眺める
…何か幸せやな。
あなたがサラダも作ってくれて、テーブルに向かい合って座る。
メンバーの中で、あなたの手料理食べてんの、俺だけやん。
自慢したいような、秘密にしときたいような
あなたの笑顔見てたら、心がぽかぽかして、奥の方が温かくなるん。
…来て良かったな。
あなたがコーヒーを淹れてくれて、ソファに並んで座る。
あなたの肩に頭をのせて、よしかかる。
あなたの匂いなんかな、すごく心が落ち着く。
疲れとる身体や心が癒されてく気がするん。
…幸せやな。
お腹も心も満たされて、
これ以上なく、幸せな気分やった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。