第38話

突然の訪問 1 ~シゲ‘s side~
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2021/06/04 15:12
突然の訪問にあなたはちょっとびっくりしとったけど


あなた
シゲちゃん、久しぶり。今日仕事は?
シゲ
さっき、終わったばかりやねん。
あなた
少し上がってく?

と、思い描いてた笑顔で迎えてくれた。


あなた
シゲちゃん、晩御飯は食べたの?

そう言えば、ここに来たい一心で、そんなこと忘れとったわ。


シゲ
いや、まだや。
あなた
簡単なもので良かったら、食べる?

…えっ、あなたが作ってくれんの?

シゲ
ええの?
あなた
うん、味は保証できないけどね。

あなたが冷蔵庫の中を覗いて、何にしようか考えとる。

シゲ
俺も手伝うわ

向こうで待っててもええけど、少しでも側にいたいねん。

あなたのキッチンはキレイにしてあって、冷蔵庫の中もちゃんと料理してる感じで



…めっちゃええやん。

シゲ
なぁ、これ温めるだけでもええよ。

冷凍庫にシチューがあるのを見つけた。

あなた
いや、う~ん。

あれっ、何か歯切れ悪ない?


あなた
お昼に食べたの。
あなた
だから、スパゲッティにしてもいい?
シゲ
俺はあなたが作ってくれるんなら、何でもええよ。
あなた
ナポリタンにしようかな。
シゲ
いいやん。で、俺は何したらええ?
あなた
じゃあ、スパゲッティ茹でてくれる?

2人で並んでキッチンに立つ。


…ええよなぁ、こういうの。

あなたが横で野菜を切ってるんを眺める



…何か幸せやな。
シゲ
あなた、これ何分茹でんの?
あなた
袋に書いてある時間より、ちょっと短めで
シゲ
了解~。
あなたがサラダも作ってくれて、テーブルに向かい合って座る。

シゲ
めっちゃ上手いやん。
あなた
ホントに? 良かったぁ。



メンバーの中で、あなたの手料理食べてんの、俺だけやん。



自慢したいような、秘密にしときたいような

あなたの笑顔見てたら、心がぽかぽかして、奥の方が温かくなるん。



…来て良かったな。

あなた
シゲちゃん、コーヒー飲む?

あなたがコーヒーを淹れてくれて、ソファに並んで座る。


シゲ
なぁ、あなたって、香水つけとる?
あなた
何もつけてないよ
シゲ
なんか、ええ匂いする、

あなたの肩に頭をのせて、よしかかる。

シゲ
少し、このままでいてもええ?

あなたの匂いなんかな、すごく心が落ち着く。



疲れとる身体や心が癒されてく気がするん。
シゲ
なぁ、あなた
あなた
何?


…幸せやな。



お腹も心も満たされて、



これ以上なく、幸せな気分やった。

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