~シゲ‘s side~
今日はあなたと約束の日
渋るあなたにお願いして、お弁当を作ってもらって、公園でゆっくり過ごせたら、なんて思ってん。
願うなら、自宅でのんびり家デートしたいけど、さすがそこまでの関係にはいっとらんし
なるべく混まなそうな場所を何日もかけて探してた。
って、尋ねるあなたに
って、恥ずかしかったから、ごまかしたけど、ちゃんと考えてんねんで
予定通り、リサーチしてた公園に到着
緑が多めで、人が少なめで静かなとこ
予想通り、平日なせいもあって、人は少なめ
芝生にシートをひいて、向かいあって座る。
待ちきれなくて広げた弁当は予想以上で
俺のために作ってくれたと思うと、頬が緩んでしまう。
待ちきれなくて、手でつまんで、あなたにちょっと怒られたけど、
さっきから何度もうまいって、言っとるのに、念を押して聞いてくる
その言葉に、一瞬思考回路が止まる。
口ん中に入れたおにぎりをうまく飲み込めなくて、喉か詰まりそうになる。
あなたが慌てて、お茶をくれた
…そうなん? 初めてなん?
その言葉ににやけた頬は緩みっぱなしで
…幸せやな
って思う。
お弁当をすっかり食べ終えて、そのままシートに横になる。
片付け終わったあなたを横に座らせて、その膝に頭をのせる。
あなたが驚いてよけようとするけど、
って、押しきって
って、少し膨れた頬を下から眺めてた。
あなたの姿越しに青空が広がってる
…やっぱええな、こういうの
幸せな気分で、しばらくそのままでいた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。