第63話

お出かけ ~シゲ編~ 2
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2021/06/14 15:04
~シゲ‘s side~
今日はあなたと約束の日



渋るあなたにお願いして、お弁当を作ってもらって、公園でゆっくり過ごせたら、なんて思ってん。

願うなら、自宅でのんびり家デートしたいけど、さすがそこまでの関係にはいっとらんし



なるべく混まなそうな場所を何日もかけて探してた。

あなた
どこ行くの?
って、尋ねるあなたに

シゲ
全然、ノープラン

って、恥ずかしかったから、ごまかしたけど、ちゃんと考えてんねんで



予定通り、リサーチしてた公園に到着



緑が多めで、人が少なめで静かなとこ


予想通り、平日なせいもあって、人は少なめ

芝生にシートをひいて、向かいあって座る。



待ちきれなくて広げた弁当は予想以上で



俺のために作ってくれたと思うと、頬が緩んでしまう。

シゲ
唐揚げ、うまい
待ちきれなくて、手でつまんで、あなたにちょっと怒られたけど、
あなた
ホントに美味しい?

さっきから何度もうまいって、言っとるのに、念を押して聞いてくる
シゲ
ホンマにうまいって
あなた
良かった、誰かにお弁当作るなんて初めてだったから

その言葉に、一瞬思考回路が止まる。



口ん中に入れたおにぎりをうまく飲み込めなくて、喉か詰まりそうになる。

あなた
シゲちゃん、お茶お茶

あなたが慌てて、お茶をくれた



…そうなん? 初めてなん?

その言葉ににやけた頬は緩みっぱなしで



…幸せやな



って思う。



お弁当をすっかり食べ終えて、そのままシートに横になる。

シゲ
せや、あなた、ここに座って

片付け終わったあなたを横に座らせて、その膝に頭をのせる。
あなた
ちょっと、シゲちゃん

あなたが驚いてよけようとするけど、
シゲ
今日は俺のお願い聞いてくれるんやろ?
シゲ
そういう約束やん

って、押しきって
あなた
も~っ。

って、少し膨れた頬を下から眺めてた。


あなたの姿越しに青空が広がってる



…やっぱええな、こういうの
シゲ
なぁ、また一緒に来ような
あなた
いいよ

幸せな気分で、しばらくそのままでいた。

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